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経費と支出の勘違い

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情報の質って、
どのくらい気にしていますか?

ネットを見れば、
ニュースサイトやブログ、
Facebookやツイッターなど、
膨大な量の情報が紹介されています。

勉強会や交流会によく参加する人は、
口コミの情報も入りますよね。


私のところにも、
「村上さん、あの話、知ってますか?」
とココだけの話を教えてくれる人がいます。

その人が実際に経験したことなら、
興味深く聞かせてもらいます。
でも、その人が人づてに聞いた話なら、
根拠がない場合、話半分でしか聞きません。

私が興味があるのは、
「事実」だけだからです。

口コミ、SNS、雑誌、テレビ、
世の中には膨大な情報が流れていますが、
本物は多くありません。

間違った情報を信じれば、
損をする事だってあります。

一次情報に触れましょう。
税金に関するウワサ、税理士さんに訊きましょう。
融資に関するウワサ、銀行に訊きましょう。

わからない人間同士があーだこーだ考えても、
一向に実のある情報は得られません。

どんなことも、「正しい情報」を基に
正しい方向に努力することが、大切。

もちろん、私の勉強会では
皆さんの役に立つ実践的な情報を、
お伝えしていきます。

経費にならない支出、支出にならない経費

さて、本題です。
みなさんもご存知の財務三表、
不動産経営で勝つための必修項目です。

でも、会計の知識や経験がない人には、
あまりなじみがないですよね?
仕訳や会計処理で苦労している人って、
意外に多いんじゃないでしょうか。

例えば、

・この支出って経費なの?
・それとも資産に計上するの?
・ローン返済って経費になるの?

あるいは、

・損益計算書上(P/L)の利益と、
キャッシュフロー(CF)はどう違うの?

といった、経営的にクリティカルな疑問まで、
会計の実務をやればやるほど、
さまざまなケースで??マークが出てくるはず。

今回はそういった疑問の中から、
「経費にならない支出」と「支出にならない経費」
について解説しますね。

「金利」と「元金」の関係

みなさん、「経費にならない支出」って
何だと思いますか?

営業マンのおじさんが、
私的な飲み代を経費で落とそうとしたら、
経理担当から却下された?

いや、そういう支出じゃないんです(笑)
答えは「ローンの元金」。

毎月、銀行に支払うローンの内訳は、
元金と金利で構成されています。

支出した金利相当分は経費にできますが、
元金相当分は、毎月きちんと払ったところで、
1円の経費にもできないんです。

・金利支払い→「経費」に計上
・元金支払い→「資産」に計上

元金の支払いは会計上、購入した
「物件」という資産を増やすことになり、
経費、つまり税法上の損金には計上できません。

実はそこが、不動産経営で陥りがちな罠なんです。

比率は年々変わっていく

ローンの返済方法は通常、毎月一定額を支払う
「元利均等返済」を選択しますよね?

この元利均等返済、
ローンが始まった当初の段階では、
返済額のほとんどが金利相当分です。

つまり、ローン開始当初の何年かは
経費にできる金利相当分が多いおかげで、
利益にかかる税金を大幅に圧縮できるんです。

税金が少なくて満室経営だったら、
CFもウハウハのはず。

しかし、ローンを何年も返済していくと、
次第に金利の比率は減っていき、
逆に、元金の比率がどんどん高まります。

元金は、「経費にならない支出」でしたよね?

経費にできる部分が減ってしまうと、今度は
P/L上の「利益」が年々上がると共に、
支払う税金もアップしていくんです。

「支出にならない経費」とは?

さらに、築年数の古い物件であれば、
これまで節税に貢献してきた減価償却がいずれ、
経費にできなくなります。

「減価償却」とは、
資産の購入額を残存耐用年数で割り、
毎年の経費として計上できる会計処理です。

つまり、ローンの元金とは真逆の存在で、
「支出にならない経費」なんですね。

これまで、多額のローン金利と減価償却によって、
大きく節税の恩恵を受けていたのが、
耐用年数を過ぎると、P/L上の利益が一気に跳ね上がり、
多額の税金を納めることになります。

そうなると、これまで潤沢だったCFが
いつの間にか底を尽いてしまい、
会計上は黒字なのにお金がない!
という「黒字倒産」や、
税金がCFを上回る、いわゆる
「デッドクロス」の危機に直面するんです。

黒字倒産やデッドクロスはどちらかというと、
若くて、まだ経験の浅い経営者がよく陥ります。

会計上のCFとP/Lを、きちんと
分けて考えられないからなんですね。

CFイコール利益ではない

CFとP/Lを分けて考えるべき理由を、
数字に置き換えて説明してみましょう。

・家賃収入が100万
・ローンの返済が50万
・手残りのCFが50万
・税率は20%

だとしたら、税負担は10万円で、
使えるお金は40万…じゃないんです。

ローン返済の50万のうち、
元金と金利が仮に半々だったとしたら、
元金分の25万は経費にできず、
PL上は「利益」としてカウントされます。

・PL上の利益(CF50万+元金25万)×20%

つまり、15万の税金がかかるんですね。

そこを、CFの数字しか見ていないで、
「10万だけ残せばいいや」と勘違いしていると、
いざ税金を払う段階でキャッシュがない!
ということになります。

オーナーは数字を理解せよ!

「経費」と「支出」のコントロールは
不動産経営において重要なポイントです。

・払ったのに経費にできない「元金」と
・払ってないのに経費にできる「減価償却」

これを、物件の購入前からシミュレーションして、
数字をきちんと把握しておきましょう。

特に、減価償却の年数設定は、
最初の確定申告時にある程度の調整ができるので、
慎重にシミュレーションしてください。

不動産経営とは、事業経営。
そして、オーナーのあなたは社長です。
社長自らが数字を理解して、
経営の判断を下すべきなのです。

会計は難しいから…といって、
税理士に丸投げしていてはダメですよ。

がんばりましょう!

村上

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