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破産者リースバックがリスキーな理由

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村上です。

不動産投資でなかなか成果が出せない。
そんな悩みを持つ人たちの中に、
慎重すぎて行動できない人がいます。

慎重な性質というのは、
大きな失敗をしにくいという
メリットがありますから、
決して悪いことではありません。

どうしても不安が消えないなら、
不動産投資以外の方法で
資産を形成するという道を選ぶ
という道もあります。

ですから、私はそういう人たちに対して、
「大丈夫ですから、不動産投資やりましょうよ!」
と無理に背中を押すようなことしません。

それでも、
「慎重な私ですが、
不動産投資で成功したいんです」
という人は意外と多いんです。

では、そんな人はどうしたらいいでしょうか?

私は、小さいことでもいいので、
とにかくやってみること、
経験を積むしかないと思います。

不動産投資って、本来、
とてもシンプルなものです。

融資を引いて、収益物件を買って、
入ってきた家賃から借金を返して、
残債が土地値を下回ったら、勝ち。

それを一棟ずつでもいいですし、
同時進行でもいいのですが、
何棟も買っていくことで、
資産を増やしていくことができます。

大きな借金をするのが怖いなら、
小さな金額の物件から始めて、
まずは「一勝」を経験してみればいいんです。

もちろん、割高な物件を買ってはいけません。
そうなれば、一勝する前に、
市場から撤退することになってしまいます。

しかし、割高な物件を買わないようにすることは
決して難しいことではありません。

そこは持ち前の慎重さを生かして、
価値よりも安い物件をコツコツと探せば
いいのです。
(私の勉強会でもその方法を教えています)

私はこれまで、不動産投資では全勝
していますが、
物件を買うときも、運営するときも、
それほど深く考えてはいません(笑)

とにかく、価値よりも安く買うこと!
そこだけにパワーを集中させるという
考え方によっては単純な方法で
不動産投資に取り組んでいます。

あれこれ考えすぎて、失敗する人たちって、
価値よりも安く買うことができていない人
なんだと思います。

儲からない物件を買ってしまえば、
あとでどれだけ努力しても、
勝つことは難しくなってしまいます。

大事なところだけはきっちり抑える。
その上で、シンプルに考えて、行動してみる。
この部分を意識して、
ぜひ一歩を踏み出してみてほしいと思います。

破産者リースバックは時限爆弾!?

さて、本題です。

以前、実践会員の方から、
こんな質問を受けたことがありました。

・戸建の競売物件を買って
・破産した元の家主に賃貸したい
・元々住人なので、引越しが不要
・戸建だから管理の手間もかからない
・破産時の残債は約2千万円
・家賃は7万円を予定している

このプランについて意見を伺いたい、
という内容だったんですね。

破産などの理由で、所有していた家を手放し、
新たなオーナーから賃借して住み続けることは、
一般的に「リースバック」と呼ばれていて、
特に珍しいケースではありません。

しかしこの方のプラン、
ちょっと危ないんじゃ…と思いませんか?

そう思った方はもちろん、そうでない方も、
ぜひこの続きを読んでみてください。

家賃が払えるのか?

別に、リースバック自体が問題という
わけではありません。
問題なのは、家賃7万円についてです。

仮に、銀行がリスケ(支払条件の変更)に
応じてくれたとしましょう。

破産時に、2千万円の残債があったならば、
元の家主が支払うべき返済額は
大雑把にみて月5〜6万といったところ。

その額を工面できなくて破産した人が、
果たして、月7万を払えるのでしょうか?

正直言って、かなりキツイですよね?
という結論に至ったんです。

この、家賃7万円という額は、
周辺の相場を考えた設定とのことでした。

ちなみに家賃相場というものは、
買った場合のローン返済額より高いのが普通です。
オーナーは儲けるために貸しているんですから、
当然と言えば当然です。

つまり、ローンを払えなくて家を手放した人が、
ローン以上の家賃を払える見込みなんて、
破産後に復職できたとか、大金でも入らない限り、
まずあり得ないんです。

リースバックは続かない

ちなみに私は、債権回収会社にいた頃、
こうしたリースバックを数多く見てきました。

でも、ほとんどのケースでまともに
相場の家賃を払われていた話は聞きません。

そもそも、マイホームで破産した人たちは、
何らかのワケありなんです。

倒産などの外的要因や、
体を壊すなどして働けなくなった人ならともかく、
だいたいは、契約や約束を守れなかったり、
最初から守る気がなかったりする人たちです。

・銀行から多額のお金を借りて、きちんと返す

そんな約束をブッチしてしまった人と、
賃貸借契約したところで上手く続くはずがない…。
そう思った方が自然なんですね。

それなのに、

・立ち退かせるのが面倒だから
・買ってすぐに家賃が入るから

という理由でリースバックしてしまうのは、
リスキーな判断だと言わざるを得ません。

立ち退きの問題とは?

かといって、元住人を立ち退かせること自体も、
多くの時間とエネルギーを費やします。

落札した家のピンポンを鳴らして、
「この物件を買った者ですけど」と言っても、
大抵は「知らねぇよ!」と一蹴されます(涙)

その場合は裁判所に対して、
占有者の立ち退きを求めて裁判を起こし、
判決をもらって強制執行(立ち退き)を行いますが、
これだけで、半年くらいかかります。

また、上手く立ち退きが完了したとしても、
家具などの残置物があったりすると、
オーナーは勝手に処分できません。

その場合、業者に頼んで保管することになるのですが、
その費用も、落札したオーナーの負担です。

さらに、元住人を強制的に立ち退かせると、
だいたいの場合は逆恨みされるので、
家が片付いたとしても、気分は晴れないものです。

このように、立ち退き自体が非常に面倒なのも、
リースバックが絶えない原因だといえるでしょう。

時には冷徹に!

また、破産した人はだいたい、
次の住居探しで苦労するものです。

連帯保証人を付けられなかったり、
保証会社に拒否されたりするんですね。

うまく次の住居が見つかったとしても、
初期費用や引っ越し代を工面できるか?
という問題もあります。

同じ人間ですから、住み慣れた家を去るより、
「できれば住み続けたい」と思う感情は、
理解できなくもありません。

しかし、そんな情にほだされていると、
遅かれ早かれ、痛い目にあうことになります。

ですから、競売物件のリースバックは、
なるべく回避するようにしてください。

いち不動産経営のオーナーとして、
冷徹に対応することも、時には必要なのです。

がんばりましょう!

村上

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