コン・パス代表、村上です。
資産をつくるなら都市部が一番。
不動産投資ではバランスシートが
運命を左右します。
純資産を拡大して、
銀行の信頼を得てさらに加速するか。
負債ばかり増やして、
早々に頭打ちになるのか。
どちらを選びますか?
もうお分かりですよね。
地方RCフルローンの高値掴みは最悪です。
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マイナスが拡大する恐怖のスパイラル
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次の事例でお話しします。
購入金額:1億円
借入金額:1億円(フルローン)
金利4.5%で30年返済なら
年間返済額は600万円ですが、
そのうちの大半が利息です。
当初5年間くらいは
7割が利息、3割が元金。
毎年600万円返済しても
利息が420万円なので
元金は180万円しか減らない。
バランスシートには
資産と負債がありますよね。
負債である借金が
毎年180万円減るとして、
資産の方はどうなるでしょうか。
地方では土地が安いので、
資産価値の内訳は、
建物部分>土地部分
となる傾向です。
1億円で買った中古マンションの
内訳を仮に土地2000万円、
建物8000万円としましょう。
建物部分は減価償却します。
耐用年数が残り30年なら、
8000÷30=266万円が
毎年の償却額。
つまり建物の価値が
266万円ずつ減っていくということ。
1年後には建物が266万円減って、
7734万円の価値になる。
土地と合わせて
9734万円
です。
かたや借金は180万円減って、
9820万円
になる。
資産 < 負債
いわゆる債務超過、マイナス純資産です。
負債が減るよりも資産が減るのが速いからですね。
ただし、
実際には資産の側に、
キャッシュフローが加わります。
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土地+建物+現金-借入金=純資産
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今回の例では
いくらになるでしょうか。
購入金額:1億円
表面利回り:9%
としましょう。
家賃収入が900万円ですね。
借入金額:1億円(フルローン)
金利4.5%で30年返済なら、
年間返済額は600万円です。
運営費が収入の2割として、
900万円×20%=180万円
収入 +900万円
返済 -600万円
運営費 -180万円
税引前CFが120万円になりました。
ここから税金が引かれます。
減価償却を経費に追加、
元金返済を経費から除外。
収入 +900万円
利息 -420万円
運営費 -180万円
減価償却 -266万円
利益が34万円なので、
税率を20%とすると税金は
大体7万円くらいでしょうか。
税引後CFは113万円ですね。
そうするとバランスシートは
どうなるでしょうか。
【 資産 】
土地:変わらず
建物:-266万円
現金:+113万円
あわせて-153万円
1億円⇒9847万円
になります。
【 負債 】
借入金:-180万円
1億円⇒9820万円
になります。
資産から負債を引くと
27万円
これが純資産ということです。
同じシミュレーションを
都市部の物件でやってみると、
面白い違いがあります。
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含み益が積みあがる都市部の不動産
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購入金額:1億円
借入金額:1億円(フルローン)
金利3.5%で30年返済なら
年間返済額は540万円。
1年目の返済内訳は、
利息が345万円で
元金は195万円ほどです。
1年後には負債である
借入金が195万円減ります。
一方で資産の方はどうなるか。
都市部では土地が高いので、
資産の内訳は建物部分<土地部分
となる傾向です。
場所や築年数によっては
1億円の中古マンションで、
土地7000万円、建物3000万円
ということもあります。
で、建物部分は減価償却。
耐用年数が残り30年なら、
3000÷30=100万円が
毎年の償却金額です。
1年後には建物が100万円減って、
2900万円になる。
土地と合わせて
9900万円
です。
借入金は195万円減って、
9805万円
になる。
資産 > 負債
持てば持つほど
純資産が増えていきます。
手残り現金を資産に加えます。
購入金額:1億円
表面利回り:8%
としましょう。
家賃収入が800万円
ですね。
借入金額:1億円(フルローン)
金利3.5%で30年返済で、
年間返済額は540万円です。
運営費が収入の2割として、
800万円×20%=160万円
収入 +800万円
返済 -540万円
運営費 -160万円
税引前CFが100万円になりました。
ここから税金が引かれます。
減価償却を経費に追加、
元金返済を経費から除外。
収入 +800万円
利息 -345万円
運営費 -160万円
減価償却 -100万円
利益が195万円なので、
税率を20%とすると税金は
大体39万円くらいでしょうか。
税引後CFは61万円ですね。
そうするとバランスシートは
どうなるでしょうか。
【 資産 】
土地:変わらず
建物:-100万円
現金:+61万円
あわせて-39万円
1億円⇒9961万円
になります。
【 負債 】
借入金:-195万円
1億円⇒9805万円
になります。
資産から負債を引くと
156万円
これが純資産ですね。
同じ1億円の物件でも、
地方と都市部では大分違う結果になりました。
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キャッシュフロー狙いの地方、資産構築の都市部。
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よく言われていることですよね。
ですが、数字で見てみると
より納得感があります。
▼地方の例
利回り9%
金利4.5%、返済期間30年
税引後CF 113万円
1年後の純資産 27万円
▼都市部の例
利回り8%
金利3.5%、返済期間30年
税引後CF 61万円
1年後の純資産 156万円
実際は利回りや融資条件によって
数字が変わってきますが
大まかにはこのような傾向でしょう。
地方はキャッシュフローが
得られる一方で含み益が小さいので
売却益は取りづらいということ。
だから、高値掴みをして
キャッシュの出ない地方物件は
最悪なのです。
都市部ではキャッシュフローは
少ないものの含み益が大きいので
売却益が出ます。
持ちつづければ含み益=純資産が
拡大しますので担保価値にもなります。
銀行も多数いるので、
今なら金利も1%前後でしょう。
ということで今日は
地方と都市部の不動産投資を
バランスシートで比較しました。
純資産の変化を把握することで
あなたの目指す資産レベルへの
道筋が見えてくるはずです。
銀行目線も理解できますので
拡大にも有利ですよね。
仕組みは理解したとして、
今すぐに理想の状態には
なれないかもしれません。
短期的な結果を追わず、
長期的に取り組んでください。
あせらずじっくりが肝心です。
次回は財務三表の総集編です。
具体的な数字で収支計算書、
損益計算書、資産残高表をおさらいします。
今日もがんばっていきましょう!
村上