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テナント物件はどうですか?

村上です。

不動産投資を始めたいけれど、
どんな方法が自分に合っているかわからない、
という人がいます。

確かに、一口に不動産投資と言っても、
築古戸建から新築RC、
民泊からシェアオフィスなど、
規模も手法も金額もさまざまです。

自己資金や属性などで、
ある程度は方向性が見えてくるものですが、
それでも、選択肢が広すぎて
迷ってしまうことは
仕方がないのかもしれません。

まだ自分の方針が
定まっていないという人に、
注意してほしいことがあります。

それは、そのくらいの段階では
相談した相手、セミナーで聞いた話などに、
非常に影響を受けやすいため、
その自覚を持って人の話を聞いた方がいい
ということです。

というのも、
儲からない物件を買ってしまった人に
その経緯を聞くと、

「最初に参加したセミナーの相談会で
名刺交換した営業マンに薦められた」

「初めて参加したセミナーで
講師をしていた投資家に紹介された」

そんな話が多いのです。

行動力があるのはいいことです。
ただし、不動産は扱う金額が大きいので、
失敗すると手痛い傷を負うことになります。

他の人の成功例を調べるのもいいですが、
それよりも先に、

「なぜ、借金をしてまで収入を増やしたいのか」
「不動産投資を始めることで何を得たいのか」
「いつまでに、どの程度の収入を目指すのか」

そういったことを整理しておくことが大事です。

労働に縛られず、
好きな時に好きなことをできるようになりたい。

良く聞く言葉です。

しかし、
それはどのような状態になっていれば、
実現できるのか。

そもそも、
好きな時とは?
好きなこととは?
いつ誰と何をしていて、
それがどの程度の期間で・・・

などと突き詰めていくと、
具体的にやらなくてはいけないこと、
やらなくてよいものが見えてきます。

漠然とした願望に対し、
漠然とした行動をとるのではなく、

仮でも良いので将来を描き、
それに沿って突き進む。

この方がはるかにスピーディです。

話を戻しますが、
そもそも私から言わせれば、
「この手法なら間違いないですよ」
「この物件がお買い得ですよ」
とよく知らない相手に特定の物件や手法を
薦める人って、どうなの? と思います。

相手の目的によって
いい物件は変わるはずなのに、
おかしいですよね?

属性や年齢、
居住地、家族構成、性格、希望、
人それぞれです。

きっと、相談者ではなく、
自分自身にメリットがある物を
勧めているのでしょう。
そこは、想像力を働かせて、
しっかりと自衛することが大切です。

自分にあった不動産投資法。
その答えはコンサルタントでも、
他の成功投資家でもなく、
自分自身の心の中にあります。

そんなわけで勉強会などの質問タイムで、
「私にあった不動産投資方法を教えてください」
と訊かれても、
「知らねーよw」
となってしまうのです(笑)。

さて、本題です。
賃貸経営は何も、住居だけとは限りません。

・テナント
・土地貸し
・駐車場
・レンタル物置 など

いろいろありますよね。

みなさんも、様々なスタイルの
賃貸経営を考えていると思いますが、
テナントという選択肢は、
正直、あまりオススメしません。
※初心者には。

なぜなら、たとえ高利回りだったとしても、
住居系に比べると安定性に欠け、
家賃滞納のリスクも高いからです。

テナントが店舗なら当然、
立地の良し悪しも関わってきますよね?

つまり、テナントの経営は、
一般的なアパートなどに比べて、
かなりハードルが高いんです。

そんなテナントについて、
少しだけお話ししてみたいと思います。

滞納額が300万円!?
これは、会員のKさんが、
実際に経験したエピソードです。

Kさんは、保有するテナント物件を、
美容系の店舗に、月30万円で賃貸していました。

しかしその店舗、開業当初は人気だったものの、
次第に売り上げが落ち始め、それに伴い、
徐々に滞納額が膨らんでいったそうです。

その額、実に300万円以上。

困ったKさんは当初、
電話や訪問、内容証明郵便などで
回収を試みましたが、効果はナシ。

そこでKさんは、
経営者と膝を突き詰めて話し合い、

・賃貸区画を約半分に縮小して、
残り半分は解約すること
・返済計画表を作成すること

を提案しました。

来客が以前より減ったため、
ブースを狭くしたとしても、
売り上げに影響はないと判断したためです。

滞納リスクは高い
経営者は当初、内装費用のかかる
店舗の縮小を渋りましたが、

・家賃を月15万円にする
・内容費用の一部は、オーナーが負担

これを条件に、提案を受け入れました。

結果的に、月々の支払いは
家賃15万円+滞納分割5万円の、合計20万円に。

店舗の経営者も、月々の負担が軽くなったため、
その後は、滞納をしなくなったそうです。

このように、オープン当初は順調だったものの、
経営悪化で資金繰りに窮することが、
テナントの賃貸ではよく発生します。

特に、前のテナントオーナーが、
2〜3ヶ月程度の敷金だけで
テナントを埋めてしまっていた場合、
そこに夜逃げなどが発生すると、
大変なことになります。

滞納した家賃はもとより、
原状回復費まで、オーナー負担になるからです。

そのため、テナントの契約時には、
賃料1年分の保証金や敷金を預けさせたり、
保証会社をつけるなどの対策をして、
取りっぱぐれを防ぐ必要があるんですね。

テナント経営はつらい

テナントの難しさは、
滞納だけではありません。

まずは家賃設定です。

住居系なら、近隣における家賃相場の
前後1割くらいで見ておけば、
外すことはそうそうありませんが、
テナントは違います。

仮に、テナントの賃料相場が
坪単価4万円だったとしても、
3万円に落として1年間決まらない
なんてケースがざらにあります。

「そこ」で商売したい人を探すのは、
住宅の比ではない難しさがありますから・・・。

さらに、事務所などの法人契約では、
景気次第で賃料が大幅に上下します。
この辺も、テナントの難しいところでしょう。

次に、立地や間取りです。

幹線道路や商店街など、
人通りの多い場所ならまだマシですが、
住宅街のテナントになると、
その場所でビジネスをやりたい人が、
圧倒的に減ってしまうんです。

特に、お店を始めたい人であれば、
その人が考える理想の間取りや、
お店のイメージというものがあります。

テナントがそのイメージに合わなければ、
いくら賃料を割安にしても、
そっぽを向かれるんですね。

さらに、害虫や匂いの問題もあります。

飲食店、とくにラーメン屋などは
ゴ●ブリなどの害虫が住みやすく、
とんこつスープなどの匂いは、
たとえ原状回復したとしても、
なかなか消えるものじゃありません。
マンション中がその匂いに染まってしまうことも・・・。

まずは住居系から

テナント物件は、
銀行の評価も厳しくなります。

賃料や空室など、変動要素が多いため、
銀行の評価がかなり低く、
場合によっては、
ゼロ評価にされることもあります。

つまり、テナント物件は、
相応の自己資金を投入できたり、
信用力のあるプレイヤーしか参入しにくいのです。

逆に言うと、
リスクに対するリターンも相応なのですが、
介在するプレイヤーも異なるため、
住居系とは異なるものと考えたほうが良いです。

不動産経営はこれから…という方は、
ハードルの高いテナント投資ではなく、
まずは、手堅い住居系から始めるのが
無難かもしれませんね。

村上

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