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借地物件の注意点

村上です。

金融機関の不動産投資向け融資ですが、
さらに厳しくなっています。

以前は当たり前に行われていた
不動産投資家が不動産会社を通して
銀行へ融資を申し込むという手法は、
完全NGになりました。

スルガ銀行のエビデンス偽装問題以降、
「不動産会社の持ってくる資料は信用できない!」
みたいな空気になっているんですよね。。。

住宅ローンさえ、大手の不動産会社以外は、
門前払いです。

「不動産会社ではなく、お客様が直接、
窓口へいらしてください」
と言われてしまいます。

一部の悪徳業者のせいで、
まじめにやっている人たちまで、
巻き添えを食ってしまっている状況です。

でもまあ、
不平不満を言ったところで何も変わりません。
融資自体は完全に閉まっているわけでは
ないのですから、悲観することもありません。

これまで不動産会社に融資付けを任せていた
という人にとってはチャレンジになりますが、
もともと、融資付けは投資家が
自分で銀行と交渉するのが当たり前でした。
つまり、元の体制に戻っただけです。

そして、融資の仕組みを理解することは、
決して難しくありません。

不動産会社の新入社員は
このあたりのことは2カ月もあれば
全部一人でやれるようになります。

そう考えると、それほど
ハードルは高くないと理解して
もらえると思います。

融資をテーマにした書籍で
勉強することもできますね。

ちなみに、私の勉強会でもこの部分は
相当詳しく説明しています。

実際、勉強会の会員さんたちは、
融資が厳しくなって以降も、
順調に物件を買っています。

融資付けについては、
私が手取り足取り教えているわけでもなければ、
一緒に銀行に行っているわけでもありません。

ほとんどの方がサラリーマン大家さんですが、
必要な資料を集め、
仕事の合間に銀行を回り、
自分できちんと結果を出しています。

融資付けの際に注意したいのは、
「〇〇スキーム」「〇〇を使った裏技」
といった流行りものには
乗らない方がいいということです。

少し前の売買が盛んだった時期に、
おかしな手法を使って無理に融資を引いた
人たちの多くが、今、苦しんでいます。
買った後では、もうどうにもなりません。

正攻法で融資が下りない物件なら、
無理をして買わない方がいいのです。

大切なのはテクニックではありません。
不動産投資を一つの「事業」として捉え、
やるべきことをやっていけば、
融資は通ります。

甘くない時代ですが、
逆にいえば、行動できる人は
行動しない人に差を付けられる時代です。
どんどん動いていきましょう。

借地権付きってどうよ?

さて、本題です。

借地権付きの売り物件って
よく目にしますよね?

特に都心の一等地。
東京だと、麻布や青山、
豊島区や文京区などは
そういった物件を多く目にします。

みなさんは、借地権付きについて
どんな印象を持っていますか?

・地主とのトラブルが多い
・地代などのコストがかかる
・土地が手に入らず、銀行の評価も低い

こんな感じでしょうか。

確かに、借地権付きは、
個人投資家にとってハードルが高く、
私自身もあまり好きではありません。

今回は、そんな借地権付きの物件について、
考えてみたいと思います。

地主とのトラブルが多い

最初はトラブルについて。

借地の地主が個人だった場合、
例えばこんなトラブルが発生しがちです。

・建て替えを拒否される
・立ち退きの要求が急に来る

法律上、賃借権を持つ側の借主は、
無茶な要求があっても対抗できますが、
多くの地主は、そんなことお構いなし。

「ウチの土地なんだから、
どうしようとウチの勝手だ」

こんな態度で勝手な意見を主張し、
そこからトラブルに発展することも、
珍しくありません。

特に高齢者の地主などは、

「先祖代々の土地は、
自分らが守らなければならない」

などと考えて感情論が先走り、
こちらの話が通じないケースもあります。

民事上のトラブルですから、
暴力沙汰でもない限り、警察は不介入。
裁判を起こして、
決着をつけるしかありません。

つまり、借地でトラブルがあったら、
裁判をやらないとダメなんです。

・もめるケースが多く
・裁判をしないと解決しない

これが、借地権の持つ、
厄介なポイントの1つだと言えます。

地代などのコストがかかる

自分の土地でない「借地」ですから、
固定資産税はかかりませ。
が、その分、さまざまなコストを
地主に支払う必要があります。

・毎月支払う「地代」
・購入や売却時の「名義変更料」
・契約更新時の「更新料」

これらは一般的な相場があるものの
法的な縛りはなく、双方で合意できれば
幾らであってもかまいません。

地主側が金額を設定し、
借主がそれを受け入れるという流れは、
私たち大家が、家賃や礼金を決めるのと、
基本的に同じこと。

特に地代は、毎月のキャッシュフローに
大きく影響してきますから、
慎重な経営判断が求められます。

・土地を借りて商売したけど
・終わってみたら何も残らなかった

こんな結末にならないよう、
気をつけてください。

ただし、お寺さんなど
古くからやっている地主の場合は別。

土地を貸すことに慣れており、
地代や名義変更料も、
相場より安いことが多いので、
検討する余地はあるかも知れません。

土地が手に入らず、銀行の評価も低い

借地権付き建物の売り物件だと、
借地権の残存期間が10〜20年
といったケースがよくあります。

当然、借地権の更新はできますが、
更新料を払ったとしても、
借地であることに変わりはありません。

将来的に、土地を売ってくれる
可能性もなくはないでしょうが、
あくまで地主次第ですよね?

また、土地が自分のものにならない以上、
銀行の評価も低くなりますから、
融資付けにも苦労します。

さらに、融資がつかないのは、
出口が取れないのと同じですから、
売却でも苦労することに…。

つまり、借地権付きの建物は、
先々のトラブルや不確定要素が多く、
自分でハンドリングしにくいのです。

個人的に、借地権付きを
あまり好きになれないのは、
こういった理由からなんですね。

借地権付きの物件はそもそも、
キャッシュフローを得るためのもので、
価格が見合わなければ、
あえて手を出す必要はありません。

トラブルやコスト、融資付け、
さらには、土地が自分のものにならない
といったリスクに対して、
得られるリターンはどうなのか、
慎重に判断してください。

がんばりましょう!

村上

 

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