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良いことづくめの修繕履歴

村上です。

値付けって、難しいですよね。
家賃を上げすぎて
入居者が決まらなければ、
空気に部屋を貸しているのと同じ。

広告費やフリーレントで一時的に
満室にできても、
部屋の価値に見合わなければ、
長く住んでもらうことはできません。

だからといって、家賃を下げれば、
利回りにも影響し、
売却のときに売値を下げることになります。

では、どうすればいいのでしょう?

売却の予定がないなら、
安く買った物件を
安く貸して、満室経営というのも
もちろんアリだと思います。

でも、いずれ売却するつもりで
購入するのなら、そこはやはり、
できるだけ高値を狙っていきたいですよね。

私は昔、新築の分譲マンションの
営業をしていたのですが、
売りに出した部屋が即売すると、
上司に怒鳴られました。

「そんなにすぐに売れるのは、
値段が安すぎたからだ!
値付けが甘いんじゃないのか!」
というのが理由です。

その上司は、
7割の人が「高い」と感じるくらいの
値付けでいいんだと話していました。

「高い」と感じない
3割から買い手を見つければいい、
ということです。

賃貸物件だって同じです。
見に来る人、全員に申し込んでもらう
必要はないんです。

お金に対する価値観も、
部屋探しに関する価値観も人それぞれ。

空室の数だけ、
その部屋を気に行ってくれる人がいれば、
満室経営は成り立ちます。

ある意味、確率の勝負なんですね。

もちろん、喜んで賃料を
払ってくれる人を見つけるには、
多くの内見者を呼び込むための営業が
必要になります。

ウェブに掲載する写真を工夫したり、
住んだ後の生活をイメージできるよう
ステージングを取り入れたり、
そのための方法は、
いくつも考えられるでしょう。

また、今の世の中、
高いホテル、高いレストランから
埋まっていきます。

経費を使える人たちにとっては、
数千円・数万円の違いは
たいした問題ではないからです。

そう考えると、
最初から社宅のニーズを狙うことで、
家賃を下げずに済むかもしれません。

何を言いたいかというと、
できるだけのことをやって、
家賃をギリギリまでアップする。
この意識が大切なんですね。

管理会社は、
オーナーのやる気を見ています。

「この大家さんは、この家賃で
何が何でも埋めるつもりだな」

その気持ちと気合が伝われば、
きっと協力してくれるはず。
妥協せず、できることをやっていきましょう。

修繕履歴で売却益アップ!

さて、本題です。

物件を保有しているみなさん、
「修繕履歴」は記録していますか?

修繕履歴とは、物件を

・何年何月に
・幾らの金額をかけて
・どんな修繕をしたのか

これを、見積りを添付して記録し、
一覧表にしたファイルのこと。
つまり、建物の履歴書と言うべきものです。

実はこの修繕履歴、
きちんと作成していないと、
売却時に困ることになるんです。

例えば買主から、

・物件の管理状態を指摘された
・「銀行に融資を断られた」と言われた
・その結果、指値を入れられた

こちらの不備を突かれて、
買い叩かれる理由を作ることにも、
なりかねません。

今回はそんな、
修繕履歴の大切さについて、
解説したいと思います。

履歴がないと融資不可!?

実践会員Nさんのエピソードです。

Nさんは、都内にあるRC築30年の物件を
7千万円台で購入すべく、
複数の銀行へ融資を打診していました。

すると、とある銀行の担当者から、
こんなことを言われたそうです。

「修繕履歴がないので、
大規模修繕のリスクを考えると、
融資は難しいかもしれません。」

結局、Nさんはその銀行をあきらめ、
他行に舵を切ったそうですが、
これ、売主にとっても
大きなダメージですよね?

もし仮に、Nさんが融資不可を理由に、
値引きを要求したとしたら、

「そうか。融資が付きにくいなら、
修繕リスクの分くらいは、
指値に応じた方がいいのかな…」

そんな風に、
売主だって弱気になるでしょう。

オーナーの評価も左右する

ではなぜ、建物の修繕履歴が
銀行の融資を左右するほど、
重要な存在になるんでしょうか?
それは、

・いつ、どんな修繕をしたかが分かれば
・物件購入後の修繕リスクから
・その分を差し引くことができるから

つまり、その物件の収支を
シミュレーションするために、
修繕履歴は必要不可欠だという訳です。

さらに、修繕履歴の有無次第で、

・オーナーはきちんとした人物か?
・物件を丁寧に扱っていたかどうか?

といった、
オーナー自身の技量も推し量られます。
もし、修繕履歴が全くなければ、

・このオーナーはテキトーだな…
・きちんと管理ができてないし…
・○百万くらいは指値が効くな…

買主にこんな印象を植え付け、
買い叩く理由を与えてしまうんですね。

履歴ナシでトラブル多し

印象だけじゃありません。
修繕履歴をつけていないオーナー物件は、
実際に購入後のトラブルが多いんです。

・賃貸や入居者の管理
・建物の雨漏りや劣化
・消防点検などの不備

まぁ当然ですよね?
億単位という大金で買った物件なのに、
何をやったかの記録もないんですから、
トラブルが頻発したところで、
不思議じゃありません。

当然、買主側はその分の修繕費や
予備費を多めに上積みして、
購入後のトラブルに備えなくてはならず、
結果的に、その原資を購入予算から
差し引かなければなりません。

それが、指値につながるのです。

逆に、オーナーが修繕履歴を付けていれば、
買う側も安心なんですね。

・ここのオーナーはしっかりしているな…
・修繕費もあまり掛からなさそうだ…
・賃貸管理もきっちりやっているだろう…

その結果、この物件を買いたい!と
テンションがグッと上がるんです。

修繕の中身も大事!

このように、修繕履歴をまとめることは、
売主買主の双方にとって、プラスに働きます。

エクセルなどの表計算ソフトに、
あらかじめフォーマットを作成しておき、
年に一度は、その年に実施した
修繕データを記録しておいてください。

確定申告などの時期に合わせて、
作成するのもいいでしょう。

修繕の内容自体も
履歴作成と同じくらい重要です。

・定期的にバランス良く
・効果的な修繕がなされているか
・和室が洋室化されているか など

過度にやる必要はありません。
優先順位の高い箇所から、
最低限のお金をかけるだけで十分。

なぜなら、あまり修繕にお金を掛けても、
その費用以上のプラスで売れるかは、
わからないからです。

ただし、修繕をしたことで、

・下がるはずだった賃料が維持できた
・あるいは、賃料アップにつながった

という成果が得られれば、
利回り計算上、
間接的なプラス査定になっていると
考えることもできます。

その辺の見極めは難しいので、
修繕の実施は、慎重に判断してください。

・修繕履歴をきちんと作り
・効果的な修繕を実施して
・売却益アップにつなげる

がんばりましょう!

村上

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