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短期売却は銀行に怒られる?

村上です。

海外のビジネスマンと話すと、
「日本は規制だらけで仕事がしにくい」
という声をよくききます。

例えば、上海なら2週間でできることが、
日本で同じことをしようとすると、
1年もかかることがあるそうなんです。

ヤバいですよね。

「日本はIT化が遅れているから、仕事がしにくい」
と言われることもあります。

確かに、不動産屋さん、
今もFAXが現役バリバリで活躍しています。

銀行も、「個人情報が洩れると困る」とかいう理由で、
いまだにメールでのやりとりが禁止です。

保険会社も病院も、似たようなものです。
彼らは膨大な情報を持っているのに、
基本的に紙ベースなので、
古くなったら埋もれて終わり。

ビッグデータを元に新たなビジネスを創造する
なんてことは、いつになっても
できそうもありません。

もったいないけれど、仕方ありません。
それが日本という国の現実です。

正直、新しいことを取り入れる
ことへの柔軟性に関しては、
トップダウンで一気にコトが進む
途上国の方がずっとマシだと思います。

私は別に、
日本の悪口を言いたいわけではありません。

では、何が言いたいかというと、
私たち個人は、
この「古い慣習」にガチガチに縛られて、
どんどん海外から後れをとっている
日本のようになってはいけない、
ということです。

頭を柔らかくして、
新しい価値観を取り入れていきましょう、
という提案です。

不動産の世界にも、
新たな風がどんどん入ってきています。

例えば、インド資本のOYO。
ヤフーやソフトバンクと提携していますし、
時代にもマッチしていますから、
日本でも広まっていくでしょう。

このOYOについて、
「よくわからないし、自分には関係ない」
と受け止める人もいれば、
興味を持って「自分も何か関われないかな」
と考える人もいますよね。

この違いは小さいようですが、
5年後にはきっと、
大きな差になっていると思います。

自分たちが思っているよりずっと、
世界は変わっています。
それを知ろうとしなければ、
ずっと取り残されたままです。

アンテナを高く、頭を柔らかく保ちましょう。
ガラパコス状態で後れを取ってから、
後悔するのでは、遅すぎますよ。

短期売却は怒られませんか?

さて、本題です。

購入した物件を、1〜2年といった
短期で売却するケースってありますよね?

当社の不動産経営実践会でも、
経営初期の段階で、

・「土地から新築」でアパートを建て
・満室で数年回したあと
・高値で売却してキャッシュを作る

この手法をすすめています。
つまり、短期売却を絡めた投資法です。

しかし、ご存知の方も多いと思いますが、
こういった短期の売却を、
融資した金融機関は嫌がります。

・ローン完済で融資残高が減り
・本来受け取るはずの利息が
・消えてなくなる

という理由からです。

でもこれ、私個人の考えでは、
あまり気にしなくていいと思うんです。
そのワケを、これから説明しましょう。

銀行の都合は気にするな!

勉強会等で、実践会員の方から、
「短期売却したら、銀行に怒られませんか?」
という質問をよく受けます。

「利息」という利益が
減ってしまうんですから、
銀行は嫌がって当然ですよね…。

でも、よく考えてください。

短期売却は、「変動金利」でローンを組む限り、
金消契約(金銭消費貸借契約)上で、
ペナルティを受けることはありません。

それは、もちろん銀行も承知しているルールです。

ここで、「変動金利」と但し書きを入れたのは、
一定期間の「固定金利」でローンを組み、
その間に物件を売却をしてしまうと、
残存期間分の利子相当額を一括で
請求されることになるからです。

実際に、
10年固定金利のローンを組んだ売主が、
数年後に物件を売却した結果、
銀行から2千万以上のペナルティを
請求されたケースがありました。

固定金利のローンを組む場合は、
金消契約に違反する行為をしないよう、
十分な注意が必要といえます。

これを逆から見ると、
あなたがきちんと
金消契約を守って返済している限り、
何の問題もないということ。
そうなりますよね?

ルールを守ってさえいれば、
銀行側の一方的な都合に、
こちらが従う義理はないんですね。

やっぱり迷惑なの?

では次に、銀行側の心情を考えみましょう。

冒頭でも触れたように、
銀行としては、収益を生む源泉である

・融資残高が減る

ことを嫌います。当然でしょう。

特に、決算期にあたる3月には、
なるべく融資残高をかさ上げしようと
銀行全体で頑張っていますから、
そんな時期に売却となれば、
融資担当者の悲鳴が聞こえてきても、
不思議じゃありません。

融資残高が減るということは、
将来の見込み利益が消えるのと同じ。

つまり、私たち大家業に言い換えれば、

・「長期で住むから」と念を押され
・各種条件を渋々受け入れたが
・短期で退去しやがった!

これと似たようなものです(笑)

でも、繰り返すようですが、
私たちは銀行の利益のために
不動産経営をしているわけじゃありません。

向こうも商売ですが、
こっちだって立派な商売なんです。

契約上の違反をしない限り、
怖じけずに決断することだって、
時には必要だと思いますよ。

配慮ができればOK!

ただし、契約上の問題がなければ、
全く気にしなくていいか?というと、
そうとは言い切れません。

短期でローンを完済してしまうと、
その銀行では、次の融資が
難しくなる場合があるからです。

でも、ものは考えようです。

銀行は数多く存在するのですから、
新たな融資先を開拓すればいいんです。

もしくは、ほとぼりが冷めるまで、
少し寝かしておき、機会が訪れたら
また相談するのもアリでしょう。

しかし、2度目は何とかOKだったとしても、
さすがに3回目はないと思います。

もちろん、契約上ダメとは書いていませんが、
そこは、今後の付き合いも頭に入れつつ、
売却のスケジュールを検討すべきでしょう。

特に、その銀行がメインバンクなら、
より一層の配慮が必要だと思います。

短期売買を繰り返して、
キャッシュを徐々に増やして行けば、
自己資本比率が上がって、
バランスシートも良好になります。

しかし、銀行にとって短期売却は、
決して歓迎すべき行為ではありません。

その点をアタマの隅に入れた上で、
より多くのキャピタルを稼いでください。

くれぐれも、遠慮しちゃダメですよ。

がんばりましょう!

村上

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