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不動産業界は性悪説に立つ

村上です。

今、個人で山を買う人が
増えているそうです。

特にここ数年は、
キャンプブームの後押しもあって、

「自分の山を持ちたい!」

というニーズが強いとのこと。

かく言う私自身も、
昔からアウトドア志向の人間でした。

横須賀に住んでいた子供の頃は、
モリと七輪を持ってみんなで海へ行き、
魚や貝を獲って焼いて食べていました。

海と山に挟まれた土地で、
どちらにもすぐ行けるという、
恵まれた環境だったんですね。

また、ワンダーフォーゲル部だった
父に何度も連れられて、
多くの登山も経験しています。

さらに、自分が成長してからは、
バックパック1つ背負って
世界中を放浪していました。

そんな、サバイバル精神旺盛だった私は、
しばらくアウトドアを離れたのち、
不動産の世界に身を置いてましたが、

子供が出来たことをきっかけに、
ここ数年はグランピングに行ったりと、
再びアウトドアを楽しんでます。

確かに、自分の山を買って
開拓するなんて憧れはありますよね!

子供と一緒に自分の山に行ったら、
楽しいですよきっと。
奥さんは嫌がるでしょうけど(笑)

ただ、山を買うという行為は、
憧れだけじゃダメだとも思うのです。

例えば、倒木を片付けたり、
ダメな木を切ったりしないと、
山がどうしても荒れるんです。

さらに、山を放置状態にしていると、
不法投棄をされることもあります。

有害な物質が入った廃棄物を、
誰が処分しなければならないのか?
犯人が見つからなければ、
処分費用は所有者持ちになります。

さらに、
山を管理してくれるような
管理会社もありませんから、
基本的に自己管理の世界。

憧れだけで山を買うのは、
リスクもあるということを、
知っておいた方がいいでしょう。

ただし、地方や郊外で
築古戸建のDIYをやるような
投資家であれば、
山をうまく整備して、

・キャンプ場に活用する
・個人にレンタルする

といった投資面での活路が、
見いだせるかも知れません。

その辺はアイデア次第でしょうか。

不動産業界は性悪説に立つ

さて、本題です。

これまで数十年もの間、数々の
不動産取引に携わってきた私ですが、
この業界ならではの心理として、

登記が終わるまで全く安心出来ない

というものがあります。

例えば、

・客付
・契約
・決済
・引渡
・登記

という重要な各フェーズにおいて、

常にトラブルが起こりうる

可能性があり、仲介の立場としては
気を抜くことが出来ないからです。

今回はそういった
不動産取引のシビアさについて、
改めて考えてみたいと思います。

性善説で仕事が出来る?

まず始めに、
取引が全て完了するまで、

いつどうなるか分からない…
当事者として気が抜けない…

というマインドは、
不動産業界特有のものだということを、
忘れてはなりません。

例えば、私がお付き合いのある
一般的な企業の人たちは、

「大きな契約がまとまりそうだ」

という話になっただけで、
お祝いムードになるとか、

「無事に契約が締結された」

となれば、これまでの苦労が
全て報われた気持ちになるそうです。

おそらく、そのような業界に居る限り、

「相手はこうしてくれるだろう」
「こちらを裏切ることはないだろう」

という性善説だけで、
殆どの仕事が出来るかも知れません。

ぬか喜びなんて出来ない

しかし、不動産業界は違います。

契約が締結されたレベルでは、
全く安心など出来ません。

というのも、不動産売買の契約は
その中で謳われている特約によって、

契約がいつひっくり返るか分からない

という心配があるからです。

みなさんご存知のローン特約はもちろん、
引渡し前に物件に問題が見つかったり、
災害や火事で物件が引き渡せないなど、

少しも気を抜くことが出来ないのです。

さらに決済当日においても、
売主や買主が、

・当事者が時間通りに来ない
・登録した印鑑を忘れてきた
・当日にお金が用意できない
・数えたらお金が足りない
・当日中に着金が間に合わない

といったトラブルも、
決して珍しくはありません。

その度に私たちは神経を削り、
対応に悪戦苦闘しながら、
何とか円満解決を目指すのですが…

そんな状況の中で、
ぬか喜びする余裕はないですよね?

引渡し後も安心は訪れない

さらに、決済から着金まで
無事に完了したとしても、
私たちに心の安心は訪れません。

なぜなら、引渡し後に

・建物に瑕疵が見つかった
・滞納者や反社の入居者がいた
・なかなか満室にならない
・想定通りの収益が得られない

というような、買主からの
クレームが起こり得るからです。

「説明と違うじゃないか!」
「買わなきゃ良かった!」
「どう責任取ってくれるんだ!」

などと、
きちんと契約で謳っていても、
当然のように難癖が付くのです(笑)

ですから、最低でも決済から数ヶ月、
契約不適合責任に至っては、
2年ぐらい落ち着かないですから、

取引が全て終わってホッとする

なんて気分には、
なかなかなれないんですね。

他人を信じない業界

まぁ、そんな事が日々
当たり前のように起こるのですから、
不動産業界の人間はほぼ全てが、

他人を基本的に信用しない
性悪説に立って仕事を進める

ことになります。

客から買い付けが入っても、
嬉しがったりしませんし、
契約だって、先ほど述べたとおり。

契約のお祝いなんてやったら、

「必ず契約が流れる」

というジンクスもあるぐらいです。

何より、不動産取引は
短くても数ヶ月、長い時は
数年という時間を要します。

1つでも多くの取引をまとめて、
やっと食っていける商売ですから、

相手を信じて時間を費やした挙句、
ある日あっさりと反故にされる

なんてことがあると、
誰もが性悪説に基づかなければ、
やっていけない業界なのです。

信用出来るのは?

まあ、そんなある意味
世知辛い不動産業界なのですが、
多大な時間と労力を費やした結果、

大きな儲けが得られる

という実感は、他の業界では
なかなか味わえない感覚かも知れません。

それだけにこの業界は、

他人は信じないが
お金だけは信じる

という人間が多いのも、
やむを得ないのかも知れませんね。

それではまた

村上

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