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地面師という詐欺

村上です。

私が2013年にコン・パスを立ち上げて、
早や8年が過ぎようとしています。

前の会社も含めると、
起業してから10年を数えていますね。

ただ、私自身は会社を経営することに、

・大喜びしたり
・大激怒したり
・落ち込んだり

といった、感情の起伏は特にないです。

まぁ、株で儲かった時に
ニコニコするぐらい(笑)

初めて起業した時でさえ、

「今日から俺は社長だ!」

なんて気構えもなく、
淡々と日々の経営をこなす感じでした。

そもそも、起業することに
迷いは一切なかったですし、
奥さんからも特に言われてません。

「明日から会社始めるわ」
「がんばってね」

ぐらいなものです(笑)

しかし、そんな人間は世の中に
そう多くないのかも知れません。

経産省の調査「中小企業白書」によると、
新たに設立された会社や個人事業が

・1年後に生き残る確率は約72%

だそうで、さらに

・3年後には約50%
・5年後には約40%
・10年後には約26%

に減ってしまうという話ですから、
実に10社中7社が

10年以内に事業を畳んでいる

という計算になるそうです。

実際、私が関わっている
ベンチャーキャピタルの会社でも、
ベンチャーが生き残る確率は、
10社に1社ぐらいなイメージです。

ただ、同じ起業と言っても、

ベンチャーキャピタルなどから、
ごりごり資金を引き出すベンチャーと、

地に足が着いたビジネスを
地道に展開する自営業とでは、

全く毛色が異なるんです。

例えば自営の場合は、
確実な顧客さえ掴んでおけば、
そう大きな失敗はしないですし、
地道に経営を拡大することも多いです。

一方、ベンチャーのほうは、
全く新しいビジネスを創出するという意味で、
一発大儲けのギャンブルに近い印象があります。

もちろん、どちらが良くて
どちらが悪いという話ではないですが、
不動産投資はどちらかというと、
自営業に近い存在かも知れません。

培われたノウハウと
確実な資金を元手に
堅実な利回りを得る

という意味で、
一発大もうけの楽しみがない代わりに、
そんなに大コケすることもない。

そんな不動産投資ですが、
真剣に向き合えばきちんと儲かるという意味で、
やりがいは確実にあると私自身は思っています。

「地面師」という詐欺

さて、本題です。

ニュースなどで
ご存知の方も多いと思いますが、
2017年に大手ハウスメーカーが

西五反田の土地売買において、
地面師に約55億円を騙し取られる

という事件が起きました。

土地の所有者になりすまして、
他人の土地を勝手に売却し、
その代金を持ち逃げする

そんな手口でやられたのです。

もちろん、このような犯罪は
あってはならないのですが、
私は個人的に、

地面師詐欺は防ぎようがない

とも考えています。

というわけで今日は、
地面師詐欺について、私なりの
目線で書いてみたいと思います。

詐欺に遭う物件とは?

まず始めに、地面師詐欺に遭う物件は、
ある程度の条件が揃っているものです。
一例を挙げると、

【管理者がいない】

既存の収益物件は、その多くが
売主との間に管理会社が入るため、
複数の人とつながりが出来ることで、
詐欺がやりにくくなります。

逆に言えば、高齢の地主が
独りで土地建物を保有しているような
高額物件が狙われやすいというわけです。

また、

【登記簿がキレイである】

ことも、詐欺の成立には欠かせません。

例えば、物件に抵当権が付いていると、
契約行為から決済に至るまで、
銀行との協議が必要になるわけで、
間に関係者が入るという意味では、
管理会社と同様、詐欺をやりにくいのです。

条件が揃うと詐欺師が来る

もう1つ、

【物件に所有者が居住していない】

という点もポイントです。

もし仮に、所有者が物件に住んでいたら、
自分の土地建物が売りに出されようとしても、
不審な動きにすぐ気付きますよね?

冒頭の地面師詐欺においては、
旅館経営者だった物件の所有者が、

事件の2ヶ月ほど前から入院していた

ために、事件の発覚が遅れたという
事情もあったようです。

このように、地面師は、

【管理者がいない】
【登記簿がキレイである】
【物件に所有者が居住していない】

という複数の条件が揃い、なおかつ
より高額の金が動くような物件に、
狙いを定めるというわけです。

詐欺は防ぎようがない?

しかし、冒頭で述べたように、
こういった地面師詐欺は、
なかなか防ぎようがないというのも、
また事実です。

例えば、本人確認資料にしても、
精巧に偽造している場合が殆どで、
司法書士や法務局でさえ
真偽を見抜けないことがあります。

さらに、悪質な場合は
司法書士や弁護士もグルだった
ということがあり、そうなると
売主側が真偽を見抜くことは、
さらに難しくなるんですね。

詐欺師だって、数十億円もの金が、
懐に入ってくるんですから、
相当な本気で騙して来ますよ。

「何となく怪しい話だなぁ…」
「売主の挙動が変だなぁ…」

といった買主側の直感でさえ、
詐欺師はあの手この手で安心させたり、
契約を急かして判断を鈍らせたりと、
さまざまな画策をしてくるのです。

警察もなかなか動かない

ちなみにこの不動産業界で、
地面師詐欺に遭うという事例は、
決して少なくありません。

ただし、騙されるのは殆どが業者です。

業者が手付金を支払い
その手付を地面師が持ち逃げする

といった事件は結構あります。

さらに、こういった詐欺事件で
警察が本腰で動くかというと、
なかなか難しい事情があります。

というのも警察は、
民事不介入が原則であり、

「不動産売買は民事でしょ」

という扱いにされてしまうと、
よほどの高額詐欺でもない限り、
警察に期待は出来ないのです。

オレオレ詐欺のように、
純粋な詐欺被害であれば別ですが、
ビジネス上の取引詐欺になると、
そういう事情も絡んで来るんですね。

大事な取引は自分で守れ!

そもそも不動産の取引は
数千万円〜数億円もの大金が動くという、
投資家や業者だけでなく、
詐欺師にとってもやり甲斐のある世界。

だからこそ、提出資料の確認や
各種法律の遵守を徹底しないと、
取引の安全は担保出来ません。

騙す人間は悪いですが、
騙される方にも落ち度があるのです。

その点を踏まえた上で、
個人の不動産投資家は、

・信頼できるプロに依頼し、
取引をフォローしてもらう

・何か不審な点があれば、
スルーせずに確認しておく

といったチェックを、
欠かさないようにしてください。

がんばりましょう!

村上

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