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不動産テックに求めるもの

村上です。

コロナは不動産投資マーケットに
ダメージを与えるどころか、
相場を押し上げる雰囲気になっています。

その背景にあるのは、
コロナ関連の補助金や融資です。

振り込まれたお金で収益不動産を
買おうと考えたのは、
不動産投資の経験者
だけではありません。

飲食業など、浮き沈みのある
他の業種の社長さんたちが、
参入してくる流れも出てきました。

考えてみれば、
当たり前ですよね。

彼らはコロナで嫌というほど、
「お客が来なければ収入ゼロ」
という水商売の怖さを
味わったわけです。

家賃を払い、
従業員を抱えて、
自分の家族だって守らなければ
いけないのですから、その
プレッシャーは相当のはず。

「せめて家賃がなければ」と
考える中で、
「大家はいいなあ。
こんな時も賃料をもらえて」
と不動産賃貸業の魅力に気づいた人も
多かったと思います。

もちろん、
自営業は当たれば大きいです。
利回り10%どころではありません。

でも、外れた時も大きい。

社長さんたちが
そのことを痛感しているのが、
まさにコロナ禍の今なんですね。

中には、もらった補助金を
それこそ家賃などに
充てた経営者も多いと思います。

そんな中、発想を変えて
お金を生むものに投資した
経営者は、この先、
その恩恵を実感する
ことになるでしょう。

そう考えると、コロナ後は
補助金や融資をうまく活用できた人と
そうでない人との間で
大きな差が開くのではないか?
ということを感じます。

補助金を申請する資料を作るのが
面倒くさい。

数字や資料に弱いし決算書も読めない。
金融機関にどう相談したらいいかわからない。

ワクチンもできるみたいだし、
そのうちお客さんも戻るでしょ。

自営業者の中にはその手の人たちも
少なくありません。

でも、それでは
ピンチはピンチのままですし、
チャンスを掴めないんですね。

資本主義の世の中を生きる以上、
お金に関する仕組みを
理解し、活用することは不可欠です。

補助金も融資も、
地域によって様々な種類があります。

皆さんも、「わからない」
「たぶん、自分には関係ない」
と思考停止せず、
一度調べてみることをおすすめします。

情報は受け身ではなく、
取りに行き、活かすものですよ。

「不動産テック」は使えるの?

さて、本題です。

ここ数年の間に、不動産業界にも
AI(人口知能)やIoTを活用した、
いわゆる「不動産テック」
が、盛んに進出してきました。

これまで、
営業マンが手と足を使って、

・物件資料を作成して
・顧客を物件に案内し
・契約から引き渡しまで

サポートしていた内容について、
揚げ足をとるような形で、

「これまでのやり方は古い!」
「デジタルの力で変革しよう」

と彼らが意気揚々と
アピールしていた姿を
覚えている人もいるでしょう。

「確かに、不動産業界は古い慣習があるし、
これを機に変わってくれたらいいな」
という意見も聞かれました。

しかし、私個人としては、
これらの「不動産テック」については
全く評価に値しないと、
考えているんですね。

なぜそんなに評価が低いのか?
解説してみたいと思います。

それって意味あるの?

まず初めに、みなさんは

「AIやIoTを活用した〇〇」
「不動産テックで業界を変える」

といったフレーズを目にして、
どんな印象を持つでしょうか?

あぁ、これまでの面倒かつ
古い慣習が自動化されることで
みんなが便利になるんだろうな…

と思いがちですよね?

もちろん、テックによって
多くのメリットがもたらされる
のであれば、私も歓迎したいです。

しかし、現行のテックはその多くが

別にそれって意味ないし…
今までのやり方でもいいし…
データの信頼性も低いし…

といった感じで、
満足に使えるものが
見当たらないんですね。

テックに代わるメリットがない

そもそも、テックに関係なく
新しいサービスが普及するためには、

・業務効率が上がる
・コスト削減につながる
・データや機器の信頼性が上がる
・提供側、顧客側双方にメリットがある

など、
これまでより便利かつ低コスト
でなくては意味がありません。

しかし、多くの不動産テックは

・現在の取引形態を軽視している
・データの信頼性が低い
・提供側の都合だけに偏りがち

なことが多く、
現行の取引形態に取って代わる
ほどのメリットが見当たらないのです。

入り込む余地はない

例えば、2020年から始まった
重要事項説明における
水害ハザードマップの説明義務化
を見てみても、

これまでどおり
国交相のハザードマップポータル
を確認すれば済む話で、
新たなテックは必要ありません。

物件の提案だって、今までどおり
顧客のメアド宛に物件情報を流す
だけで事足りますよ。

物件価格の査定だって同じです。
AIが算出した数字に、
誰が納得するでしょうか?

物件の価値を決めるのは、
売り手と買い手です。
決して、「データ」ではありません。

「売主」「買主」という、
お互いの感情が絡む取引において、
デジタルの数字が入り込む余地
は、限りなくゼロに近いのです。

テックの信頼性

また、新たな不動産テックの多くは
完全な自動化が実現出来ず、
結局は人の手が入っている
という不完全なものも多いんです。

よくよくその内容を聞くと、
何のためにテックにしたの?
というものばかり。

そのため、
業界内で浸透したものは、
これまで1つもありません。

さらに、不動産テックに参入した
多くの経営者たちは、

不動産業界出身ではなく
業界の慣習を全く知らない
というケースがほとんど。

我々業者から見れば、
「それやっちゃマズいっしょ」
ということを平気でやってしまう
輩も少なくないんですね。

ですから、不動産投資家としては、
そんな信頼性の低い不動産テック
に期待するよりも、

実績と信頼に基づいた
これまでの取引形態をきっちりやる
方が、ずっとスムーズなんです。

テックとインターネット

とは言え、私自身は
テックの全てを否定している
わけじゃありません。

現在の不動産テックが、
使い物にならないだけであって、
現行のシステムより優れたテック
が登場すれば、何の問題もありません。

その結果、従来のやり方が
テックに置き換わったなら、
それはいいことだと思います。

実際、ここ二十数年の間に
インターネットの普及によって、

・紙のデータベースが不要になった
・いつどこにいても情報が得られる
・コミュニケーションの手段が増えた

わけで、昔の取引に比べたら、
利便性と効率が格段に上がりました。

これからも
革新的なイノベーションがあれば、
柔軟に受け入れるべき
だと思います。

ただし、
残念ながら、現在の新しいテックは
その域に達していません。

テック系ベンチャーの経営者たちは、
不動産業界にもっと精通した上で、
現場で使えるテックを生み出す
努力を続けてもらいたいです。

がんばりましょう!

村上

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