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コストカットのしわ寄せはどこへ

村上です。

こんなことを言うと、
誤解される方がいるかも知れませんが、
私自身はもともと、

強い信念や思い

みたいなものを持っていません。

若い頃からそうですし、
いち経営者となった現在でも、

企業はこうあるべき

的な考えも全くないんですね。

例えば、上場の大手企業などで

「より良い商品をみなさまへ」
「環境に優しいビジネスを目指して」

なんてコピーをよく見かけますが、

「本当はそんなこと考えてないでしょ?」

などと、いぶかってしまう人間です(笑)

例えば、私と知り合いの経営者なんて、
大手から中小に至るまで、誰ひとり

世の中のために自社が貢献出来ること

なんて考えてはいません。

誰だって、自社の利益が最優先ですし、
そうじゃなきゃ、
経営なんて続けられないです。

そもそも、「お客様のため」「環境のため」
なんて企業メッセージを鵜呑みにするのは、
世界でも日本人だけではないでしょうか。

広告代理店やテレビなど、
メディアが創り出した企業イメージは、
あくまで「広告の一環」と位置づけ。

それを、テレビを見ながら間に受けて、

「この企業は社会に貢献しているな」

なんて思うのは、
ちょっとどうかと思うのです。

もちろん、本心から
世のため人のためを願う経営者だって、
一部にはいるでしょう。

それを否定するつもりはありませんし、
むしろ、評価してもいいと思います。

しかし、大半の経営者や役員は、
自社や自分の利益が最優先ですし、
儲けるのが面白いから、会社を回すんです。

まぁ、だからといって拝金主義みたいに、
自分さえ儲かれば、何をやってもいい
という考えも、また違いますけどね。

いずれにせよ、企業はあくまで
儲けるために会社を回しているのであり、

世のため人のためというメッセージは、
企業の最優先事項にはなり得ない…

という感じではないでしょうか。

コストカットのしわ寄せはどこへ?

さて、本題です。

以前、会員さんから

「コストカットすべきところと、
 そうでないところについて、
 教えてください」

というご質問がありました。

大まか過ぎて答えにくいのですが、
私は基本的に、

コストカットや節税に
時間とエネルギーを費やすなら、
さっさと稼いだ方が早い

というスタンスです。

そもそも、ちまちまと
コストを削り取ったとしても、
さほど効果がないばかりか、

コストカットのしわ寄せ

を、工事業者などに掛けてしまうと、

手抜き工事にもつながるため、
ロクなことにならないケースが
多いからなんですね。

今回はそんな、
コストカットの是非について、
考えてみたいと思います。

余裕がないからコストカット?

まず始めに、そもそも論なのですが、

コストカットや節税に、
必死になる方の多くは、

・資金的な余裕がない
・キャッシュフローが薄い

というケースが大半です。

お金に余裕がないから、

「ここはこれだけカット出来る」
「ここは相場よりも高過ぎる」

などと、重箱の隅を突つくんですね。

しかし、そんなにギリギリと
コストを切り詰めた結果、

・選んだ管理会社がずさんだった
・工事業者に手抜き工事をされた

としたら、どうでしょうか?

コストカットと連動して、
費用対効果も落ちてしまい、
結果的に

・空室がなかなか埋まらない
・家賃を上げることが出来ない

といった弊害を生むのです。

しわ寄せは必ず返ってくる

実際、世の中の建築トラブルは、
コストを削りに削った結果、
原価を割り込んでしまい、

下請け業者へのしわ寄せが
手抜き工事につながる

というケースが殆どです。

長いデフレの影響もあって
消費者がコストカットを
当たり前のように求めた結果、
製品の質が落ちるというのは、
当然の成り行きだと思います。

特に、建設業界で
良く言われているのが、

「モノ」をケチるのはいいけど
「ヒト」をケチるのは良くない

ということ。

在庫がダブついているなら、
安く買ってコストを下げるのは構いませんが、
人件費をギリギリまで詰めてしまうと、
その悪影響は計り知れません。

もちろんそれは、
不動産投資でも同じこと。

資金に余裕がないからと、
ケチを突き詰めた結果、
さらに余裕がなくなるのでは、
投資として本末転倒ですよ。

目先の金をケチってしまったために、
投資の成功が危ぶまれるようでは、
何のためのコストカットなのか、
分からなくなってしまうのです。

お金に余裕があれば万事OK

それとは逆に、
お金に余裕のある投資家は、
多くの事柄において上手く行く
ケースが非常に多いです。

潤沢な資金さえあれば、
工事にしろ管理にしろ、
選択肢が大幅に増えますし、
課題を解決するスピードも、
当然に速くなります。

もちろん、相手側も
金払いのいい客を大事にしますから、
結果的にいい仕事をしてくれますし、
トラブルの面倒だって見てくれます。

もし万が一、
見積もり内容にも関わらず、
いい仕事をしてくれなかったら、
代わりの会社だって選び放題ですから、
向こうだって必死に頑張りますよ。

結局、お金に余裕がないから、
選択肢にも余裕がないわけで、
その事実になかなか気付けない
投資家も多いんですね。

適正価格はどのライン?

もちろん、だからといって、
お金さえ掛ければいいのか?
というと、そうではありません。

どんな見積もりにも適正価格があって、
自分も相手側もお互いに満足する
というラインが、必ずあるものです。

そのラインを見つけることが出来れば、
不動産投資で成功することは、
難しくないと思います。

とはいえ、現実問題として
適正価格を見定めることは、
なかなか難しいものですよね?

こればかりは、
場数と経験を踏むことでしか、
得られないものではありますが、
とにかく、

適正価格で発注することで、
相手にも利益をもたらすこと

ギリギリとコストカットして、
人件費にしわ寄せを与えないこと

このことに十分注意して、
お互い納得できる取引にしたいものです。

がんばりましょう!

村上

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