村上です。
日本企業の年功序列制度は、
以前に比べると、
すっかり影を潜めた感があります。
私たちの親世代ぐらいまでは、
同じ会社に永年勤続することで
・昇進が確約される
・給料が毎年上がる
・退職金が上積みされる
といったボーナスがありましたが、
もうそんな時代じゃないですよね。
ただ、そんな年功序列社会の中で、
不動産業界だけは、
以前から年功序列は無かった
という気がします。
例えば、私が新卒で入社した頃でさえ、
数年ほどで中間管理職になれています。
別にこれは、
私の能力や成績がどうこうと言うより、
私の上司や先輩たちが、
・独立して新たに起業する
・他の同業者に転職する
ということが、当たり前だったからです。
つまり、
どんな新卒社員だって歯を食いしばり、
・残業や休日出勤は当たり前
・営業成績を必死に上げる
・上司からの罵倒にめげない
という鉄のマインドを持っていれば、
よほどの問題を起こさない限り、
数年程度で昇進出来る世界なんです。
もちろん、
ハードな労働環境に耐えきれず、
・数ヶ月で会社を辞める
・病気になって出社しない
という人間も多いですから、
ソルジャーとして生き残るためには、
それなりのタフさも必要です。
ただし、
・成績を上げてナンボ
・大きく稼いでナンボ
という、ある意味
分かりやすい世界ですから、
私自身は働きやすかったですね。
給料だって歩合制ですから、
成績のいい奴が高給取りなわけで、
年功序列企業のような
能力は低いけど勤続年数だけで高給
という不合理さもないです。
まぁ、チームワークを良しとする
日本企業の特性から考えれば、
みんな揃って昇給するというのが、
お互いのモチベーションを
それなりに維持するのかも知れません。
ただ、不動産業界に限って言えば、
一匹狼がお互いに争うようなもので、
それはそれでやりがいはありますね。
法律の知識は身につけておくべき?
さて、本題です。
不動産投資を実践する上で、
法律の知識は必ず必要になります。
一例を挙げれば、
・民法
・宅建業法
・借地借家法
・建築基準法
・都市計画法
・土砂災害防止法
などなど、
不動産のあらゆる場面において、
法律がコントロールしている
と言っても過言ではありません。
つまり、私たち不動産投資家も、
法律の知識を蓄えて行動することが、
何より重要だということ。
しかし、実際には
そう上手くは行かないもので、
当事者が法の知識に乏しいことで、
トラブルに発展することが多いもの。
今日はそんな、不動産と法律について
私なりに解説してみたいと思います。
法律を知らなかったために…
まず始めに、私がこんなことを
言うのはどうかと思うのですが、
法律を知らない投資家が多過ぎる
と、日々痛感しています。
法律を知らなかったために、
・トラブルに発展する
・トラブルを解決出来ない
・訴訟で争った結果負ける
ということが、
不動産の業界ではそれこそ、
毎日膨大な数に上る
にも関わらず、法律のことを
「忙しいから」「面倒だから」と、
つい後回しにしてしまうんです。
もちろん、法の知識を学ぶこと自体は、
義務教育でも何でもありません。
しかし、「法律」という
自分の身を守るガードを付けていないと、
相手のパンチをもろに食らった結果、
・得られたはずの利益を失う
・多額の賠償責任を負う
ことも、ごく当たり前に起こるのです。
立証するのはどっち?
こんな例えはどうでしょうか。
物件売買で詐欺まがいの業者から、
瑕疵のある物件を摑まされた
としましょう。
こちらとしては、裁判に掛けて
損害賠償を要求するのですが、
それをやるとしたらまずは、
相手の詐欺を立証する
ことを、自分でやらなくてはなりません。
当然ですが、被告側の業者が
わざわざ立証してくれるわけもなく、
あくまで訴える側が、その責を負うのです。
でも、詐欺を立証するためには、
・相手に悪意があったのかどうか?
という、感情そのものを
立証しなければなりません。
詐欺をした業者側が、
「悪意はなかったんです」と言い切れば、
残念ながら詐欺にはならないんですね。
詐欺を立証することは難しい
さらに、不動産における詐欺とは、
高齢者がオレオレ詐欺で騙されるような、
全く身に覚えのない刑事事件
ではありません。
・金額が「高い」か「安い」か
・説明に合理性があったかどうか
というような、刑事上では
捌けないレベルの話が大半であり、
裁判所はもちろん、誰が見ても
客観的に判断出来るクロ
というものが、立証しにくいのです。
例えば業者が、
建物の雨漏りをあえて説明しなかった
としますよね?
こちらとしては、絶対に業者が
分かっていて隠していたと確信があっても、
それを立証するのは本当に難しいです。
さらに、そういった立証にかかる
・労力
・時間
・費用
を天秤にかけると、果たして
その要求が本当に妥当なものなのか?
という点で、判断が難しいものになるのです。
合理的な落とし所はどこか?
誰だって、他人と争うことになれば、
自分の正義が勝つと信じたいはず。
しかし、不動産投資に限って言えば、
正義を通すというレベルより、
いかに合理的な落とし所を付けるか?
の方が、より重要だったりするのです。
個人的な印象としては、
裁判に掛けるような案件の殆どが、
自分にとって得にならないケースばかり。
「自分はこれだけ損害を被ったんだから、
賠償してもらって当たり前でしょ!」
と、言いたい気持ちは分かります。
しかし、その主張を通すために
どれだけの労力と時間、そして
費用が必要なのか?ということを、
冷静に考えてみるべきです。
もちろん、泣き寝入りを
する必要もありません。
回収出来る見込みがあるなら、
必要な労力をコストを掛けて、
弁護士に裁判で争ってもらう
ことも検討してください。
もちろん、投資家自身が
法の知識を日頃から身に付けておく
ことは、言うまでもありませんよ。
がんばりましょう!
村上