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3点ユニットの改装はどうする?

村上です。

かつて、不動の人気を誇っていた

・東京都世田谷区

ですが、近年の都心一極集中によって、
そのブランド力を大きく下げたことは、
記憶に新しいところです。

高度成長期からバブル期にかけて、
さらには1990年代から、
2000年代前半の世田谷と言えば、

・下北沢
・三軒茶屋

といったエリアが軒並み、

「住みたい街ランキング」

の上位を占めることが、ごく当たり前でした。

しかし、都心一極化が進む東京において、
かつての世田谷ブランドは、

都心から離れている

という理由だけで、
トレンドから外れるようになったのです。

しかし、そんな世田谷離れも、
ここ数年で事情が変わって来ています。

例えば、大手デベロッパーが
成城の一等地に開発した

超高級一戸建て住宅の分譲

では、情報を公開した途端に、
資料請求が殺到する現象が起きています。

さらに特筆すべきは、その価格。

1戸あたり2億円弱という、
高価格帯であるにもかかわらず、

14戸の募集に対して、
資料請求が1,000件を超える

という結果をもたらしたんですね。

これまで、
都心部の超高価格帯物件といえば、

占有面積の広い区分マンション

が一般的でした。

それが、成城というエリアで、
戸建に人気が集まったのですから、
これは新たな兆候だと言えるでしょう。

そもそも戸建は、
区分のマンションに比べると、

管理がとても面倒

というのが難点でした。

・庭の手入れをマメにしなければならない
・建物のメンテを自分でする必要がある

さらには、

・近隣との付き合いが必要になる

という面倒な部分があったため。
あえて区分マンションを選択する
顧客も、珍しくはなかったのです。

そういう意味で、
今回の超高級戸建の完売が、

今後の世田谷エリアにおいて、
吉と出るか?凶と出るか?

展開を注視していきたいところです。

3点ユニットの改装はどうする?

さて、本題です。

築古の狭小物件などでよく見る、

・バス
・トイレ
・洗面所

がセットになったユニットバス、

いわゆる「3点ユニット」

は、入居者にとって
敬遠されがちな存在です。

個人的にも、

・トイレの横で歯を磨く
・湿った空間でトイレを使う

という行為は、
やはり抵抗がありますから、
例えば、

出張先のビジネスホテルが、
3点ユニットだったとしたら…

なるべくそのホテルは、
予約したくないですね。

とはいえ、
そんな3点ユニットの物件を、

多大な費用をかけて改装し、
費用対効果が得られるのか?

という点においては、
投資的に難しいと言わざるを得ません。

今回はそんな
3点ユニットの是非について、
私なりに解説してみたいと思います。

そのコストは回収出来る?

まず始めに、いくら
3点ユニットが敬遠されるとしても、
それを改装するか否かは、

投資的にペイ出来るかどうか?

に掛かっています。

例えば、

・郊外のエリア
・面積の狭い1R

といった、
そもそも賃料が安い物件の場合、

3点ユニットの改装コストを、
確実に回収出来るかどうか?

という点で、
ハードルが高くなるからです。

もし仮に、
賃料2万円以下の木造1Rに対し、
3点ユニットの改修工事に、

1戸あたり80万円を掛けた

としたら、純粋なコストの回収に
3年4ヶ月も掛かってしまいます。

低家賃で出来ることは限られる

もちろん、家賃収入2万円の多くは、
ローンの返済原資に充てられますし、
残ったキャッシュフローでさえ、

・退去時の原状回復費用
・空室のマイナスキャッシュフロー

に消えてしまうのですから、
改装コストをペイするには、

3年4ヶ月どころか、
10年以上は余裕で掛かる

ことにもなりかねません。

そういう意味で、
3点ユニットを改装しても良いのは、

高い賃料が見込める、
都心や広めの物件のみ

ということになるでしょう。

それ以外の、
郊外や地方の狭小アパートなどでは、
シャワー水栓を最新型にするなど、

既存のパッケージは変えず、
いかに使い勝手を高めるか?

という点に、
フォーカスした方が良いです。

「気にしない」顧客もいる

あとは、事故物件でもそうですが、
世の中には

3点ユニットでも構わない

という顧客層が、
必ず一定数いるものです。

もちろん、そういった顧客は
市場で少数派になりますから、

3点ユニットのライバル物件同士で、
入居者の奪い合いになる

ことは避けられません。

当然、賃料を下げて勝負する
ことが必須になるという意味で、

大幅な指値を入れて安く買う

ことが、何より重要となります。

もちろん、
苦戦が最初から分かっている以上、

価格が合わなければ、
無理に手を出さない

というマインドも大事ですね。

都心なら積極的に

一方、同じ3点ユニットだとしても、
高い賃料が見込める、

・都心エリア
・広めの物件

であれば、積極的に改装する
メリットがあると思います。

ある程度のコストを掛けても、

・比較的短期間でペイ出来る
・賃料アップが期待出来る
・将来の空室対策につながる

のであれば、
早い段階で改装を決断するのも、
十分に有りだと思います。

・バスとトイレを分離する
・独立したシャワーブースにする

など、顧客のニーズに合わせ、
コストバランスを考慮した上で、
さまざまなプランを検討して下さい。

また、近隣のライバル物件が、
どのような設備を導入しているか、
どの程度の賃料相場を形成しているか、
地道にリサーチすることも大切。

安くない追加コストを投じる前に、
その辺はより慎重を期して下さい。

3点ユニットの将来

近い将来、単身者の所得格差は、
より一層開くことになります。

これまで、9〜10万円の家賃を
払えていた中所得の単身者が減り、

都心の物件に住めなくなる

という流れも加速するでしょう。

そんな時、保有する物件を

・高所得層向け
・低所得層向け

どちらに企画するかは、
投資の成否を左右することになります。

建築コストが高騰している現在、

3点ユニットの存在をどう捉えるか?

という課題は今後も、
大きなウェイトを占めると思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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