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賃貸併用住宅は買っちゃダメ

村上です。

以前、大手百貨店を持つ企業が、

名古屋市に賃貸マンションを建設する

というニュースがありました。

業績不振で先の見通せない百貨店事業から、
不動産賃貸事業へ参入することで、

安定的な収益を確保する

ことが狙いだと思います。

この大手百貨店に限らず、
昔から商売をしている老舗の企業は、

まとまった不動産を保有している

ことが多く、本業の儲けより
不動産から得られる収益で、
経営が成り立っているところも、
少なくありません。

さらに、株価だってそう。

不動産を筆頭に、
莫大な純資産を持つ老舗企業は、
たとえ本業が不振だったとしても、
株価を維持するケースが多いです。

イケイケのベンチャー企業が、
あっという間に消えて
無くなるのとは対照的ですよね?

そういう意味で、老舗の大手百貨店が
賃貸マンションを建設することは、
ある意味、理に適っていると思います。

しかし、不動産に詳しいとは言えない、
異業種の大手企業が参入するからには、

財閥系の不動産業者をバックに付ける

など、盤石の投資を行うべき。

万が一、その投資がコケようものなら、
本業に影響を与えることにもなりかねません。

例えば以前、大手の家電メーカーが、
代官山の裏手に分譲マンションを建設し、

社名のブランドで売り出した

ことがありました。

でも、億単位の分譲マンションなのに、
家電メーカーの名前が入っているのは、
かえってイメージが悪くなるというもの。

「そんなネーミングじゃ売れない!」

私だってそう思いました。

もしこの案件に、
顧客の心理を知り尽くした、
大手のディベロッパーが付いてたら、
そんなネーミングは付けなかったはず。

異業種だからこそ
新規参入だからこそ

業界のベテランをバックに付けて、
慎重を期すべきだと思いますよ。

賃貸併用住宅は買っちゃダメ?

さて、本題です。

ご存知の方も多いと思いますが、
賃貸併用住宅ってありますよね?

一般的な賃貸物件の最上階などに、
オーナー自身が住むための住戸、
いわゆる

オーナーズルーム

がある物件のことです。

例えば、1つの建物の中に、

1~3階は賃貸用ワンルーム
4階は、4LDKオーナーズルーム

などの住戸を設計し、
4階にオーナー家族が住む
といった使い方をするものです。

賃貸併用住宅を建てるメリットは、

・住宅ローンが使える
・家賃収入でローンが払える
・節税のメリットがある

など、さまざまな点で
有利だと言われているのですが…

不動産投資という目線で考えれば、
賃貸併用住宅を作ることは、

個人的に全くオススメ出来ない

んですね。

今回はこの、
賃貸併用住宅について、
解説してみたいと思います。

大家がいる物件に住みたい?

まず初めに質問です。

みなさんは、
大家が生活しているマンションに、
住みたいと思うでしょうか?

私だったら嫌だと思います。

昭和時代の下宿生活ならともかく、
令和の現代において、

大家と一つ屋根の下で暮らす

必要は全く無いはず。

もちろん、下宿のように
生活を共にするわけじゃありませんが、

・深夜に酔って帰宅した
・彼女を家に連れてきた

そんな時に、玄関や共用廊下で
大家と鉢合わせなんてしたら、
気分もゲンナリしますよ(笑)

つまり、これだけプラベートが
重視される現代において、
賃貸併用住宅というものは、

賃料が割安でも無い限り、
客付けの面で不利になる

と、言わざるを得ないのです。

オーナーズルームは選ばれない

また、将来的に

オーナーズルームを賃貸に出す

ということを考えている場合も、
後で痛い目に遭うことが多いです。

例えば、先ほどの例みたいに、
オーナーズルームが、
最上階の4LDKだったりすると、

・1~3階の1Rが家賃5万円
・最上階の4LDKが家賃20万円

といった、極端な差が生まれます。

20万円の家賃を払えるファミリー層が、
わざわざこんな、

・単身者ばかりが住んでいる
・深夜に人の出入りがある
・騒音や生活マナーが良くない

マンションに住みたいと思うでしょうか?

どうせ同じ20万円を払うなら、
もっと閑静かつファミリー層の多い
物件を選んだ方がマシですよね?

事実、賃貸併用住宅の最上階だけが、
長期間空室が埋まらないと言うケースも、
少なくないんです。

売却の際にも不利?

さらに、賃貸併用住宅は
売却の面でも不利となります。

先ほど述べたように、
客付面で不利なだけでなく、
オーナーズルームはそもそも、

オーナーの趣味が反映されている

ことが多いため、

・使いにくい間取りにする
・無駄に豪華な設備を付ける
・トイレがなぜか2つある

といった、
賃貸住宅として使い勝手が悪い
ということが多いんです。

もちろん、それらの無駄なコストを、
賃料に反映させることは厳しいでしょう。

つまり、そういった
無駄が多く賃貸に出しにくい物件は、
売却においても不利となるんです。

・民泊に使いたい
・レンタルスペースにしたい

といった戦略があれば別ですが、
せっかく融資を受けて買うのなら、
普通の物件の方がいいと思います。

賃貸併用住宅はやめとけ!

おそらく、いま現在流通している
中古の賃貸併用住宅の多くは、

築20~30年

ぐらいの物件が多いと思います。

バブル期からそれ以降にかけて、
冒頭で述べたような

・住宅ローンが使える
・家賃収入でローンが払える
・節税のメリットがある

という謳い文句につられ、
多くの地主さんが建てたんですね。

しかし、これだけ
プライベートが重視される現代において、
あえて賃貸併用住宅を新築するオーナーは、
以前に比べてかなり減った印象です。

もちろん、中古としての流通は、
それなりにあるでしょうから、

・価格が大幅に割安である
・オーナーズルームの使い道がある

というのであれば、
検討する余地があるかも知れません。

逆に、何の戦略も持たないまま、
賃貸併用住宅を購入検討するのは、
絶対に止めておきましょう。

まずは、普通の物件を買って、
不動産投資家としてのキャリアを
地道に積み上げる!

そのほうがマシだと思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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