村上です。
唐突な質問ですが、みなさんは、
プロとアマチュアの違いについて、
どんなイメージを持っているでしょうか。
おそらく多くの方は、
・報酬を得て結果を出すのが「プロ」、
・それ以外が「アマチュア」
そんな括りではないかと思います。
しかし、プロとアマの境目は、
紙一重の存在であることも事実。
特に、不動産業界においては、
そんなことを度々痛感するものです。
例えば先日、当社の会員Aさんから、
こんな話を伺いました。
不動産投資家のAさんは、
土地からアパートを新築するにあたり、
そこから得られる表面利回りは、
9%程度と考えていましたが。
その後、プランを依頼した設計士から、
・この物件で9%は厳しい
・せいぜい6%程度では?
という、意外な回答があったそうです。
実はこの設計士、
そのエリアの賃料相場について、
あまり詳しくなかったんですね。
逆に、賃料相場に精通していたAさんは、
「いや、そんなことはない」と突っぱね、
同じ間取りと同じ戸数のプランで、
自分なりに再計算したところ、
やはり当初の9%だったとのこと。
結果的にその新築アパートは、
Aさんのシミュレーションどおり、
9%で稼働することが出来たそうです。
実はこのような、
アマがプロを凌駕するというケースが、
不動産業界では良く起こります。
依頼先によって当然、
分野の得意不得意がありますし、
人が違えば考え方も変わりますから、
・B先生はCと言っていた
・D先生はEと言っている
こんな見解の違いが、
ごく当たり前に起こるのです。
では、どちらを採用すればいいのか?
というと、
どちらの話も聞いて下さい(笑)
え?どういうこと?と思うでしょうが、
要は、さまざまな見解を踏まえつつ、
最終的には、
投資家自身がその選択に責任を持つ
ことが重要なんですね。
プロに仕事を依頼しつつも、
最後は自分の目で確かめ、
誤りがあればきちんと正す。
賃貸事業を回す経営者として、
この姿勢は貫いておきたいものです。
属性の評価は年収だけじゃない?
さて、本題です。
不動産投資にとって、
銀行の融資はある意味、
投資活動の生命線と言っても、
過言ではありません。
例えば、懇意にしている業者から
高利回りの物件情報をもらっても、
融資を付けることが出来なければ、
指をくわえて見送ることになるはず。
そういう意味で、私たち投資家は
融資をより確実に引くために、
あらゆる手段を講じる必要があるのです。
しかし、そんな熱意や行動とは別に、
融資を左右するポイントがあります。
それは、みなさんもご存知の
投資家個人の属性ですね。
今回はこの、
属性の良し悪しについて
少し書いてみたいと思います。
銀行は慈善事業じゃない
まず始めに、属性と聞いて
みなさんがイメージするのは、
勤務先や年収
ではないでしょうか。
例えば、
・一部上場の大手企業
・年収は○千○百万円
そんな高属性であれば、
融資は確実といってもいいでしょうが、
逆に、年収が不安定なフリーターや、
個人事業主といった低属性では、
融資の受付けさえしてくれない
というケースも珍しくないです。
銀行はそもそも、
お金を貸し付けて
金利を稼ぐ営利企業
であり、決して
慈善事業なんかじゃありません。
貸し付けたお金を
確実に回収出来る見込みの高い、
相手に融資をしたがるのは、
ある意味、当然のことなのです。
男性より女性が有利?
さらに、銀行が
投資家の属性を評価するのは、
勤務先や年収だけではありません。
私が実際に、銀行の
融資担当者から聞いた話では、
・過去の借入や返済履歴
などの情報だけでなく、
・性別
・学歴
・家族構成
・親の資産
なども、審査の対象となるそうです。
例えば、性別の場合だと、
男性より女性の方が有利と、
一般的には言われています。
女性のほうが男性より真面目で、
逃げずにコツコツ返済してくれるので、
夜逃げや破産リスクが少ないんですね。
もちろん、女性の中にも、
お金にだらしがない人もいるでしょうが、
あくまで統計的な観点から、
女性の方が融資が出やすいのは、
ある意味本当のようです。
ファミリーは逃げない
また、家族構成においても、
融資における優劣が存在します。
例えば一般的に、結婚して
家庭を持っている人のほうが、
逃げずにきちんと返済する
と言われていますから、
融資にとって有利なんですね。
一方、最も不利なのが独身男性です。
あくまで確率論ですが、独身の男性は
・身軽で無茶をする
・いざとなったら逃げる
ことが多く、融資にとって
最も不利だと言われています。
確かに、物件の賃貸においても、
家族を持つファミリーより、
独身男性のほうが滞納しやすい
というのは確かですから、
家族構成が融資に影響を与えるのは、
ある意味、頷ける話ではないでしょうか。
学歴も評価されている
さらに、学歴が高いことも、
融資に影響を与えると言われています。
本人が優秀かどうかはもちろん、
・生まれ育った家庭環境
・学費を払える経済状況
など、親が持つ属性も、
学歴によってある程度分かるんですね。
さらに、親や親族が
代々の地主や資産家だったりすると、
融資のハードルはより低くなります。
万が一、本人に何かあった場合でも、
親や親族が何とか援助してくれるため、
破綻を回避する可能性が高いそうです。
反対に、学歴が低い場合は、
融資にとって不利となります。
生まれ育った環境が、
融資に影響を及ぼすなんて、
納得できない人もいるでしょうが、
あくまで確率論的な評価であり、
こればかりはある意味、
やむを得ないかも知れません。
属性はあくまで総合評価
そんなわけで、
融資における属性の優劣について、
私の知る限り書いてみましたが、
属性というものはあくまで、
総合的に評価されている
という点も重視すべきです。
どれだけ高属性であっても、
投資家本人に問題があったり、
破綻リスクの高い投資と評価されれば、
銀行は基本的に融資を出しません。
逆に、属性が低かったとしても、
事業計画がしっかりしていたり、
本人に見合った投資と評価されれば、
それなりの融資は付くものです。
生まれ育った環境や過去は、
どうしようもありませんが。
未来は誰だって変えられるはず。
くじけずに融資を開拓し続け、
投資を有利に進めたいものですね。
がんばりましょう!
村上