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AIは不動産屋の夢を見るか?

村上です。

世の中の流行が生まれては消え、
消えては生まれを繰り返すように、

不動産業界においても、
ブームというものが必ずあります。

例えば、ここ10年ほどの間にも、

・都心の狭小マンション
・地方の築古RC投資
・外国人向けの民泊
・コインランドリー
・コロナ禍におけるシェアオフィス
・築古物件のDIY再生

など、さまざまなブームがありました。

ブームが1つの投資ジャンルとして、
定着したものがあるかと思えば、
経営がままならず、あっという間に
消え去ったものもあります。

ただ、民泊事業に関しては、
コロナ禍が明けた現在において、
国内需要の喚起を目的とした、
全国旅行支援事業によって、

・日本人の客で常に満室
・高めの価格設定でも埋まる

という話も聞いています。

要は、時勢に合わせて、
掴めるニーズを掴んでおくことが、
ブームを一過性にしないために、
何より大切だということ。

また、ブームを一過性で
終わらせないためには、

金が集まるところで商売をする

というポイントも重要です。

カツカツの客を相手に、
薄利多売の商売をしたところで、

・客のガラが悪い
・金払いも良くない

わけで、
この先の経営は見えています。

不動産の賃貸だってそう。

3万円の部屋に滞納者を入れるより、
20万円の部屋に良客を入れた方が、
管理運営的にはずっと楽ですよ。

自らのビジネスを
軌道に乗せたいのであれば、

金持ちが集まるエリアや、
利益率の高い商品にフォーカスして、
より多くの収益を狙う!

こちらをお勧めしたいです。

いつの時代においても、
どんな商売においても、

お金が集まるところに、
生き残るビジネスが生まれます。

その原理原則を胸に、
私たち不動産投資家も
日々精進しなくてはなりませんね。

AIは不動産屋の夢を見るか?

さて、本題です。

昨今、大きな話題となっている、

チャットAIの登場

ですが、みなさんは
どのように感じたでしょうか?

「革新的なテクノロジーが出現した」
「多くの仕事がAIに置き換わるのでは」

そんなイメージをお持ちの方も、
多いのではないでしょうか。

かく言う私自身も、
チャットAIの進化には
大いに興味を持っていますし、
家で時間があれば、AIによく
質問を投げたりしています(笑)

とはいえ…

進化を続けるチャットAIが、
世の中の仕事を置き換えるほど、
人間を凌駕する存在になれるのか?

というと、まだまだというのが
私の正直な実感でもあります。

特に、この不動産業界では、
いかにテクノロジーが発達しても、
AIに営業を奪われるようなことは、
ほぼないと確信しているんですね。

今回はその理由について、
少し解説してみたいと思います。

100億円の相続をどうする?

まず始めに、
こんな例えはどうでしょうか。

東京都港区の一等地に、
100億円の評価が付く
ビルがあったとします。

オーナーは、先祖代々の土地を
引き継いだ高齢の男性。
子供は3人いたとしましょう。

子供たちはそれぞれ結婚し、
その子供や孫、ひ孫までいます。

そんな状況の中、高齢の
オーナーが認知症を患いました。

その時点からオーナーの子供たちは、

その物件をどのように分配するか?
いかに自分有利な展開に持ち込めるか?

について躍起になるケースが、
世の中には本当に多くあるんです。

血みどろの争いに発展

例えば、
3人の子供たちがそれぞれ、

・長男は弁護士を付ける

・長女はまめに介護しつつ、
 その貢献度を主張する

・次男は乗り気じゃないが、
嫁からせっ突かれて行動する

それまで長い間、
喧嘩1つなかった良好な兄弟関係が、
いざ相続の問題が表面化すると、
それこそ、血みどろの争いに
発展したりするんですね。

さらに、本人たちの意思とは別に、

・当事者の嫁や夫
・親戚や友人たち
・弁護士や税理士
・不動産屋や銀行

などが、当事者である兄弟に
あれこれと知恵を付けますから、
余計にこじれることも多いです。

100億円の資産を分け合う以上、
ちょっと強く出ただけで、
数億円単位の差が生まれますから、
こんな相続案件が、
全て丸く収まるなんてことは、
ハナから期待出来ないのです。

AIは営業マンになれるか?

では、そんな面倒な相続案件を、
AIが営業マンに取って代われるのか?
というと、私の個人的な考えでは、

100年掛かっても無理だろう

という印象です。

そもそも、どれだけAIが、
これまでのデータや実績を元に、
物件を100億円だと査定しても、
血みどろの争いを繰り返している
当事者たちにとっては、

そんな査定は信用に値しない

などと一蹴されるのがオチ。

さらに、当事者たちだけでなく、
その嫁や夫、知り合いの弁護士から、
近所の不動産屋に至るまで、

様々な人間が首を突っ込んで来る

のですから、
面倒な調整をAIが引き受け、
物件の売却を無事済ませることは、
ほぼ無理だと思います。

人間力がモノを言う業界

そういう意味でこの業界は、
営業マンの手腕に委ねる仕事が、
今後も無くなることはないでしょう。

そもそも、不動産のような
数千万円〜数億円という
多額のお金が動く取引では、

・営業
・調整
・交渉
・礼節

といった、定性的な実力が
大きな意味を持つことも多く、
そこをAIが肩代わりすることは、
よほどの技術革新がない限り、
実現には程遠いと思われます。

そういう意味で、

争いを繰り返す当事者全員が
納得出来るストーリーを描き、
地道に調整やサポートを続けて、
スムーズな相続を実現する

これこそが、
相続案件の物元になり得る
不動産屋の実力であり、
AIには到底真似の出来ない
人間力ではないでしょうか?

私には、そう思えてなりません。

村上

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