村上です。
先日、政府与党が、
タワマンの相続税評価額を、
引き上げる検討を始めた
というニュースがありました。
タワマンを購入することで、
相続税評価額を大幅に圧縮し、
掛かる相続税を安くするという、
いわゆる「タワマン節税」
は、これまで多くのオーナーが
実践して来たスキームです。
しかし、今回の引き上げが
現実のものとなれば、
スキームが根底から覆るどころか、
日本全体がひっくり返る
ぐらいの、
インパクトになるのでは?と、
個人的に考えています。
そもそも、
東京などの大都市圏における
不動産の相続税評価額は、
評価額<<<<実勢価格
であり、そこが
節税スキームの要でもありました。
一方、地方の不動産はその殆どが、
評価額>>>>実勢価格
であり、実勢価格が
ほぼゼロといった不動産も、
地方にはゴロゴロしています。
そこに、今回のような
評価額の大幅見直しが、
全国規模で実施されてしまうと、
大都市も地方でも等しく、
評価額=実勢価格
になるわけで、その結果
不動産を担保に融資をしている、
ほぼ100%の地方金融機関が、
深刻な担保割れを起こし、
債務超過に陥ってしまう
こととなります。
また、大都市圏の不動産においても、
評価額=実勢価格になれば、
固定資産税が一気に跳ね上がる
わけで、支払いに窮する人が
続出することになるはずです。
さらに、タワマンだけを
狙い撃ちにしたとしても、
・どんな建物がタワマンのなのか?
・どのエリアのタワマンが対象か?
という線引きが、
非常に難しくなるでしょうし、
こっちはタワマンだからアウト
あっちはタワマンじゃないからセーフ
なんてケースも多々あるはずです。
タワマンはダメだから、
戸建で節税すればOK
みたいな逃げ道のスキームだって、
当然出来ますよきっと。
そんなわけで一体、
政府は何を考えているのか?
あまりにも現実を見ていない、
拙速な検討ではないかと思います。
国内の資産全てを大きく揺さぶる、
途方もない失策とならないよう、
今後も政府与党の動きを、
国民全体で注視すべきでしょうね。
レオパ物件に出口はあるか?
さて、本題です。
先日、とある投資家の方から
こんな話を聞きました。
*****
大家仲間の1人が、
レオパレス物件を所有しています。
先日、売却検討のため、
仲介に相談したところ、
「レオパですか…。」
と、言われてしまったとのこと。
まだ、具体的な話は
進めていないようですが、
過去に問題となった
会社の物件を保有していると、
売却の際にどこまで
影響があるものでしょうか?
*****
という内容でした。
確かに、レオパレスの物件は
私も以前から言い続けていたように、
何かと問題が多い
ことは、間違いありません。
今回はそんな、
レオパレス物件の出口について、
改めて考えたいと思います。
融資が付かない?
まず始めに、
レオパ物件を売却する上で、
一番のハードルとなるのは、
金融機関が融資をしたがらない
ことです。
違法な建築が明るみになり、
社会的な問題となる以前から、
レオパレスは不良建築
という話が、
不動産や建築業界だけでなく、
金融機関にも知られていました。
私が勤め人だった頃にも、
同僚などから
「男3人で壁を押せば倒れる」
といった噂を、
まことしやかに聞きましたし、
私個人もこれまで、
まともなレオパ物件というものを、
見た経験がありません。
そんな不良建築に対して、
融資が出ないのは当然であって、
そこを巧みにくぐり抜けない限り、
物件売却の出口は見えない
と言っても、
過言ではないんですね。
まずは名称から
さらに、違法建築が
明るみになった2018年以降は、
金融機関だけでなく、
買主側もより慎重になった
という印象があります。
そこで重要となるのは、
アパート名を変更する
ことですね。
もし私が、レオパ物件を
保有しているのであれば、
なるべく速やかに住民へ伝えた上で、
外壁のアパート名や銘板を取り替え、
法務局に行くか司法書士に依頼して、
アパート名の表示変更登記
を、行うと思います。
もちろん、アパート名を変えても、
登記簿上の記録はもちろん、
インターネットの検索結果や、
地図上の表記もしばらく残りますから、
新しいアパート名が定着するまで、
数年単位の期間が必要となるはず。
要は、レオパ物件を売却したいなら、
少なくとも数年前から動いておかないと、
売却のハードルは下がらないんですね。
外壁塗装でイメチェン!
次にやっておきたいのが、
外壁の塗装です。
レオパレスのアパートは、
その多くが、
・アイボリーとブラウン
・ネイビーとホワイト
といった、
印象的なツートンカラー
であることが多く、
外観をひと目見ただけで
「あ、レオパのアパートか」
などと、思われてしまいます。
そこで、他の色で外壁塗装を行い、
見た目をガラリと変える事で、
負のイメージを払拭するのです。
ただし、レオパの外壁は
殆どがサイディングですから、
タイル張りやブロックに比べて
コストはさほど掛からないはず。
また、外壁塗装を行う事で、
見た目の印象も良くなりますから、
売却査定のプラスにもつながる
わけで、一石二鳥だと思います。
時間をかけて出口を探せ
これらの対策は少なくとも、
私がこの業界で働き始めた頃には、
良く行われていました。
私もその昔、仕事の都合で
レオパ物件に短期入居した
経験がありますが、
建物の造りはもちろん、
設備や備品に至るまで、
徹底的なコストダウンの痕跡
が、あちこちにありましたね。
まぁ、そんなレオパ物件ですが、
保有してしまったのであれば、
出口を探す必要があります。
先ほども述べたとおり、
なるべく速やかに
・アパート名を変更する
・外壁塗装を実施する
そこから、数年単位で
じっくりと腰を据えつつ、
融資の問題に向き合い、
高値の売却を模索し続ける
ことが肝心ですね。
参考になれば幸いです。
がんばりましょう!
村上