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サブリース会社の逆ザヤとは?

村上です。

新型コロナウイルスの感染拡大で、
一時は壊滅的となった民泊ですが、
ここに来て復活の兆しが見えています。

外国人旅行客が日増しに増え、
受け皿となるホテルなどの宿泊施設も、
コロナ禍によって人員を減らした影響で、
思うような集客が出来ていない…

そんな中、個人が経営する民泊に
需要が集まり始めているのです。

では、もし仮に私自身が
民泊事業に参入するとしたら、
どんな客層向けの民泊にするのか?
というと、やはり

東京都心の好立地で
アッパークラスの観光客

を、ターゲットにすると思います。

アッパークラスと言っても、
超が付くような富裕層ではなく、
あくまで高所得者という意味ですが、
その層をターゲットにすることで、

・金払いが良い
・マナーが良好
・トラブルが少ない

など、多くのメリットが生まれます。

一方、低所得者層向けの民泊では、

・部屋を汚す
・夜中に騒ぐ

など、どうしてもマナーの悪さを
懸念することになるはず。

これは別に、宿泊に限った話ではなく、

・賃貸住宅
・テナント

など、多くの賃貸事業にとっても
当てはまる話ではないでしょうか。

また、同じ客層狙いであっても、

・短期滞在向け
・長期滞在向け

の違いで、その収益性は
大きく変わって来ると思います。

民泊で収益減に繋がるのは、

・空室ロス
・清掃コスト

ですから、いずれのロスも
解消出来る長期滞在のお客様には、
大幅な割引を提供するなど、
戦略的な価格設定も必要です。

最低でも1週間とか、
長ければ1ヶ月以上とか、
そのぐらいの長期滞在が出来る
高所得者層に使ってもらいたいなと。

まぁ、そんな構想を
色々と巡らせてみましたが、
個人的に民泊事業を今やるか?というと、
まだ慎重に見極めた方が良いというのが、
正直なところです。

日増しに外国人観光客は増えていますが、
新たに参入したいのであれば、
もう少し時間を掛けた方が良いですね。

サブリース会社の逆ザヤとは?

さて、本題です。

以前、区分マンションの
サブリース会社であるB社が、

借り上げ賃料の入金を
物件のオーナーに滞納し

大きな問題となりました。

投資用ワンルームをオーナーに販売し、
実際に入居者から得た賃料よりも、
高い金額のサブリース賃料を
物件のオーナーに支払っていたため、

逆ザヤのマイナス収支状態

で、資金繰りに行き詰まったのです。

「所有物件の賃料が入金されない」

と、複数のオーナーがSNSに投稿し、
この問題が表面化したのですが、
情報を知った多くの方が思ったのは、

どうしてB社はわざわざ、
実際の賃料より高い支払いを
オーナーに約束していたのか?

ということでした。

逆ザヤが分かっているのに、
何でそんな契約を敢えてするの?

と疑問に思うでしょうが、実はこれ
ワンルーム業界では以前から
行われて来た慣習でもあるのです。

というわけで、今回はそんな
ワンルーム業界の逆ザヤについて、
少し解説してみたいと思います。

損を出しても大丈夫?

例えば、オーナーであるみなさんが、
投資用ワンルームの販売会社から、
サブリース家賃保証付きの物件を
購入したとしましょう。

サブリース賃料は12万円で、
仮に空室が発生したとしても、
サブリース会社の家賃保証があるから、
ローン返済への影響は基本的にない

とのふれ込みでしたが、
いざ問題が発覚して調査したところ、

実際の賃料は10万円であり、
サブリースの12万円を支払うと、

サブリース会社は2万円の赤字

という事実が判明しました。

月にマイナス2万円ですから、

1年間でマイナス24万円
10年間だとマイナス240万円

営利目的である民間企業が、
毎月損を出すことを前提に、
ワンルームを販売するなんて、
何だか腑に落ちませんよね?

逆ザヤでも儲かる理由

もちろん、これには裏があります。

賃料設定を高めに設定するほど、
物件の収益性評価は高くなり、

より多くの融資が受けられる

ことにつながるわけで、
物件価格も跳ね上がるのです。

結局、1円でも高く物件を売りたいと
考えるワンルーム販売会社は、

月々のマイナスが発生しても、
物件価格で十分に穴埋めが出来る

という収支判断のもと、
逆ザヤ覚悟で販売しているのです。

当然、ローンの完済時まで
義理を通す必要はありませんから、
引き渡しから数年経過した後、
賃料相場などの理由を付け、

相場と同等の賃料に引き直す

ことで、それまでの逆ザヤを
解消しようとするのが通例です。

そんな立ち漕ぎレベルの
自転車操業をやっている会社が、
昔から結構あったんですね。

結局、誰が損をするのか

とはいえ、そんな自転車操業も、
販売物件数が増えて行くにつれ、

逆ザヤのインパクトが大きくなる

わけで、会社の資金繰りにも
多大な影響が出て来ることになります。

仮に、1戸当たり2万円の逆ザヤでも、
販売物件を50戸100戸と増やせば、

100万円から200万円の資金繰り

を、毎月しなくてはなりません。

結局、冒頭で述べたB社の場合も、
高額の逆ザヤに耐え抜くことが
出来なくなったため、
賃料の支払いが滞ってしまったわけで、
一番の被害を受けたのは他でもない、

安易にサブリース契約を結んで、
物件を買ってしまったオーナー達

なんですね。

ブラックに近いグレー

では、このような逆ザヤ商法自体が、
詐欺に当たるかどうか?というと、
なかなか判断が難しいと思います。

仮に裁判になったとしても、
サブリース会社の言い分としては、

*****

当初は12万円で借せると思っていたが、
10万円でしか貸せなかった。

それでもオーナーのために、
頑張って月々12万円を支払っていた。

*****

という申し立てで、
悪意による逆ザヤを否定するはず。

要は、限りなくブラックに近い、
グレーゾーンという感じです。

ただ、この業界では
昔から良くある商法ですから、
そのような言い逃れが出来るか否かは、
検察や弁護士の力量によるかも知れません。

いずれにせよ、我々不動産投資家が、
物件を購入検討する際は、

・物件価格
・周辺賃料

の相場をきちんと把握し、
安全確実な投資を目指して下さい。

逆ザヤ商法に惑わされるような、
悪手を打ってはダメですよ。

がんばりましょう!

村上

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