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事業と不動産投資は別法人で?

村上です。

先日のニュースで、

2021年度に国庫へ入った、
相続人不在の財産額が、
過去最高の647億円に上った

という報道がありました。

要は、相続財産を引き継ぐ
相続人が誰もいないために、
国のお財布へ入ってしまった
というわけです。

ちなみに2001年度では、
その額が約107億円だったそうで、
20年間で6倍になったとのこと。

年々増加する「おひとりさま」が、
このような形で現れているのは、
何とも皮肉な話ですよね?

ただ、この647億円という数字、
不動産に限って言えば、
多少のトリックもあるのではと、
私は考えています。

というのも不動産は、
みなさんもご存知のとおり、
実勢価格と評価額に開きがある
ケースばかりだからです。

例えば、都心の物件であれば、

実勢価格>>>評価額

になりますし、
逆に地方の物件ともなれば、

実勢価格<<<評価額

であることが殆ど。

つまり、

647億円が国庫に入るとしても、
それはあくまで評価額であり、
実際に入る額に大きな差があるのでは?

と、個人的に考えているのです。

さらに、土地建物が国庫に帰属しても、

・維持管理
・測量や売却手続き
・解体

などのいわゆる「流通税」は、
国が負担することとなります。

価値が高く引き合いの強い
都心物件であればまだしも、
今後、急激な過疎化によって、
ゾンビの如く大量に湧いて来る、

タダどころかマイナスの、
地方の土地建物はどうするか?

この辺も、国にとって
頭の痛い問題となるはずです。

さらに今後、
生涯独身を通す「おひとりさま」は、
より一層増えることが、
確実視されていますから、

行き場のない相続財産をどうするか?

は、国の政策レベルで
考えていかなければならない時期に、
いよいよ達したのかも知れません。

事業と不動産投資は別法人で?

さて、本題です。

以下のようなご質問がありました。

******

資産管理会社で、別の事業は
やらない方がいいでしょうか?

逆に、事業会社で不動産賃貸業は
すべきでないでしょうか?

会社を分けることで、
決算書や運営コストなど、
手間が掛かる部分もありますが、
金融機関の評価など、
留意すべき点があれば
教えて頂けると嬉しいです。

******

確かに、一般論としては
同一の法人で事業と
不動産投資をまとめて行うより、
別々に法人を設立した上で、

・A法人は事業
・B法人は資産管理

とした方が、融資の面で
プラスであることは事実です。

でもどうして?
一緒だとなぜダメなの?

おそらく、そういう方もいるでしょう。

そこで今回は、事業と不動産を
法人別に分けることの是非について、
分かりやすく解説したいと思います。

事業と同一法人はマイナス?

まず始めに、どうして
事業と不動産投資を分けた方が、
融資にプラスとなるのか?について。

銀行は、融資を審査する上で、
多くの調査やプロセスを踏みますが、
同一法人で事業も不動産投資もとなると、

不動産投資向け融資のためだけに、
事業の業績や財務状況まで調査する

必要が出てきます。

そうなると、融資が出るまでに
多くの時間が掛かってしまいますし、

その事業がこの先、
20年30年と継続出来るのか?

という評価もしなければなりません。

もちろん、事業の業績が悪ければ、
融資がダメになることも、
当然に起こり得る話でしょう。

その辺を考慮すれば、最初から

事業と不動産投資は分けておく

ほうが、無難であることは確かです。

業種が足を引っ張るケースも

また、事業の業績はもちろん、
業種によっても、融資に
マイナスとなる可能性があります。

例えば、同一法人内の事業が、

モノを大量に仕入れ、
製造したり売り捌く

ようなビジネスだった場合、
事業を継続するためには、

常に仕入債務(買掛金)を抱える

ケースが大半だと思います。

ただでさえ、
不動産に融資が付くかどうか?という
ギリギリの審査にも関わらず、
事業の債務も合算してしまったら、
出る融資も出なくなってしまいます。

せっかく良い物件を見つけたのに、
本業のビジネスが足を引っ張った挙句、
審査が通らなくなったのでは、
勿体無いじゃ済まされません。

その辺を考慮した場合、
事業と不動産投資を分けた方が、
良いことは間違いないと思います。

事業次第ではプラス?

ただし、例外もあります。

そもそも事業がメインであって、
その業績が好調であったり、
多くの資産を持っていたりすると、

不動産の融資審査にもプラス

だからです。

例えば、親などから
代々の事業を引き継ぐなどして、

・黒字決算を安定的に維持している
・資産が負債を大幅に上回っている

こんなケースであれば、むしろ
不動産投資に追い風となります。

とはいえ、先ほども述べたように
業種によって不利な場合もありますし、

事業の業績は不動産に比べて不安定

という側面もありますから、
不動産投資をやりたいのであれば、

専門の資産管理会社を設立する

ほうが、何かと安心でしょう。

銀行は基本的にネガティブ

また、銀行は基本的に、
性悪説で融資可否を判断します。

そもそも銀行は、
お金を貸して利子で儲けるという、

お金のレンタル業

みたいなところですから、
融資先が幾ら儲かろうとも、

貸したお金が返って来なくなる

いわゆる「焦げ付き」が出ることを、
最も恐れています。

そういう意味で、同一法人内で、
事業と不動産投資をやっていると、

事業が傾いたら、
不動産の方に手を出すのでは…

不動産に出した融資が、
事業に使われてしまうのでは…

そんなネガティブ面ばかりが
先行してしまいがち。

そういう意味で、

事業と不動産投資で法人を分ける

ことは多くの場合、
プラスの方向に振れるはずです。

ただし、この辺の判断は、
金融機関によっても変わります。

現時点で事業法人を運営している場合は、
付き合いのある融資担当者に一度、
不動産投資向けの融資について、
相談するのも有りだと思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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