BLOG

ブログ

立ち退きは簡単じゃない

村上です。

不動産投資をやっていると、

同じ時期に始めたライバルが、
または、後から参入した後輩が、
自分より投資規模を拡大している。

なのに現在の自分は…

といった焦りを感じることが、
誰にでもあると思います。

不動産投資だけじゃありません。

進学や就職、結婚に至るまで、
人生は焦りの連続ではないでしょうか。

でも、焦ることは
悪いことばかりでもないはず。

焦りの源となる、
危機感やプレッシャーがあるからこそ、
積極的な行動につながりますし、
結果を生む後押しにもなるからです。

それが結果的にオーライであれば、
焦りもまた必要だと言えるんですね。

一方、私自身はというと、
他人と自分を比べることを、
全くしない性格の人間なので、

他人の成功を見て焦りを感じた

ような経験は、
これまで全く無かったと思います。

確かに、
突き抜けた金持ちなどを見ると、

「うぉー!すげぇ!」

と思うことはあるものの、

早くその域に達したいとか…
あの人のようになりたいとか…

そんな気持ちは湧かないですね。

近視眼的に今しか見えませんし、
その先がどうなるかということも、
あまり興味がありません(笑)

さらに、今の暮らしが幸せですし、
海外で仕事をしたいといった
分かりやすい願望もないですから、

他人がどうであれ、自分は自分

というスタンスはこれからも、
しばらく変わらないと思います。

そもそも、不動産投資なんて
5年後10年後のことは、
誰にも分かりませんよ。

ライバルが今順調だからといって、
10年後にはフェードアウトしている

そんな事だってあるはずです。

焦りがプラスに向かうことがあっても、
他人の人生に振り回される必要は、
全くないと思うんですね。

使い古された言葉ですが、
他人は他人、自分は自分。

ライバルの動向に左右されることなく、
自分の投資を愚直に実践したいものです。

立ち退きは簡単じゃない

さて、本題です。

以前のことですが、ツイッターで

*****

賃貸物件の1階で店舗を経営していたが、
築48年の鉄骨造物件が取り壊されるため、
書面で6ヶ月後の立ち退きを迫られている

*****

という投稿が話題になりました。

このツイ主さんは、都内で
居酒屋を経営されている方のようですが、

「突然大家からこんな
紙切れ1枚の書面が届いたけど、
日本の大家ってこんなに強かった?」

「しかも補償の話は1文字もない。」

というコメントをされていました。

このツイートに対し、
多くのリツイートや引用ツイート、
さらには4桁台の「いいね」が付き、
大きな話題となったんですね。

まぁ、それも
当然のことではないでしょうか。

こんな乱暴な立ち退きを要求すれば、
大きなトラブルに発展することは、
我々不動産業界の人間でなくとも、
容易に想像出来るからです。

今回は、そんな立ち退きの問題について、
私なりに解説してみたいと思います。

無理スジは99%通らない

まず始めに、立ち退きトラブルに伴う、
これまでの裁判例を考えた場合、
今回の立ち退きを求めたオーナーは、

一体何を考えているのか?
無理スジをなぜ通そうとする?

という思いしかありません。

だいたい、何の補償提案もないまま、
6ヶ月後の立ち退きを要求するなんて、

あえてトラブルを誘発している

ようなもの。

そもそも、日本の建物賃貸借契約は、

オーナーである貸主より、
借主の立場が圧倒的に強い

わけで、よほどの事由がない限り、
借主が一方的に立ち退きを迫ることは、
99%出来ないと言ってもいいです。

私自身も、現行の借地借家法について、

あまりに強すぎる借主の権利を、
もう少し何とかしてもらいたい

という考えを持っていますが、
法律が大幅に改正されない限り、
どうしようもないというのが実情です。

補償無しに話は進まない

まぁ、そんな立ち退きですが、
今回の事例をツイッターで見る限り、

・貸主の一方的な理由で
・何の補償も提示されず
・立ち退きを通知された

のですから、
上手く行くはずがありません。

裁判どころか、
立退く必要もないと思います。

少なくともテナント側が、
賃料を度々滞納しているとか、
契約違反行為を行なっていたなど、

借主の責めに帰すべき事由

がなければ、
仮に裁判で争ったとしても、
余裕で勝てるはずです。

さらに、立ち退き料だって、
少なくとも1000万円ぐらいは
余裕で取れると思いますよ。

結局、そのぐらいの立ち退きを、
何の補償提案もなしに
実現出来ると考えたオーナー側は、
どれだけ〇〇なのかと言いたいです。

慎重かつ誠実に

では次に、これまでの視点を変えて、
私たちがオーナーの立場だった場合、

保有する物件の立ち退きを
スムーズに実現するには、
どのような点に注意すべきか?

というアプローチについて、
考えてみたいと思います。

一般的な立ち退き案件では、
オーナーや管理会社の担当が、

・借主側と誠実に交渉を行い
・立ち退きの補償額を積み上げて
・数年かけて立ち退きを実現する

という流れを作り、
慎重に進める必要があります。

当然、立ち退きに伴う

・営業上の逸失利益
・内装や設備のコスト
・移転費用や休業補償

など、諸々の費用を
貸主側が負担しなければ、
テナントが立ち退きを了承することは、
ほぼ無いと考えた方が良いでしょう。

立ち退きにメリットはあるか?

小規模のテナントであっても、
数百万円から数千万円の立ち退き料が
発生することは珍しくありません。

そもそも、居酒屋などの飲食業は、
そこに通う常連客などの存在によって、
営業が成り立つものであり、
店舗移転に伴う逸失利益を考慮すると、

立ち退き料が相当な額に上る

ケースは多々あります。

要は、それらの費用負担をしてでも、

立ち退きや建て替えにメリットがあるか?

という点を、きちんと
シミュレーションしておかなければ、

立ち退きは無事終わったものの、
コスト負担があまりに膨大で、
新築のメリットが見出せなくなった

という事態にも、
なりかねないというわけです。

入居者やテナントの立ち退きは、
私たち業界の人間にとっても、
非常にデリケートな課題であり、

時間と費用に余裕を持ち、
計画的かつ誠実に交渉を続ける

ことが重要。

少なくとも、冒頭のケースみたいに、
乱暴な立ち退きを要求することは、
くれぐれも避けたいところです。

がんばりましょう!

村上

PICK UP

ARCHIVE

TOP