村上です。
以前のニュースで、
東京都が国際金融センター
としての存在感低下に、
危機感を強めている
という報道がありました。
これは、英国のシンクタンクが
世界の主要都市を対象に、
国際金融センターとしての実力を
評価した調査によるものですが、
1位 ニューヨーク
2位 ロンドン
3位 シンガポール
4位 香港
5位 サンフランシスコ
という都市が上位に並んだものの、
日本の東京は?というと、
ランキング下位の21位
という、
散々な結果になったとのこと。
東京を世界有数の
「国際金融都市」にしたい
という、小池知事の意気込みとは裏腹に、
就任当初の5位から今回の21位へと、
ランキングを大きく下げているのです。
この記事を読んで私は率直に、
「まぁそうなるよなぁ…」
という印象を持ちました。
小池知事が幾ら頑張ったところで、
国や岸田総理が真逆の政策をやれば、
国際的な評価は得られません。
規制や増税の繰り返しで、
日本の競争力が弱まりつつある中。
国際金融都市を目指すような
ヴィジョンを描くことは、
どう考えても難しいですよ。
ちなみに、6位以降で
近隣のアジア都市は金融的に
どう評価されているのかというと、
7位 上海
10位 ソウル
12位 深圳
13位 北京
といった具合で、
東京はそれらのアジア都市にも
かなわないようです。
残念ながら現在の日本は、
かつてのGDP世界第2位という、
輝かしい先進国としての姿を、
失いかけています。
市場競争力はガタ落ちですし、
国内の大手企業は海外に
買収されるケースも増えました。
若者は相変わらずの低賃金にあえぎ、
先の見えない閉塞感から抜け出そうと、
日本を捨てて国外に出る
そんな構図が今後、
より一層増えることは確実です。
そんな日本の行き詰まりを打破し、
東京を国際金融の中心に復帰させるには、
誰のリーダーシップが必要なのか?
少なくとも、
岸田さんじゃ無理だよなぁ…。
賃貸物件に和室は不要?
さて、本題です。
以前、ある調査会社が
家に和室がある500人を対象に、
和室に関する意識調査を実施し、
そのデータをランキングにした、
というニュースがありました。
その中で、
「和室があって良かったか」
というアンケートに対し、
「とても良かった」
「まあ良かった」
という回答が合わせて
81.8%にも上ったそうです。
8割以上のニーズがあるなら、
賃貸物件にも和室を設ければ、
空室対策に効果的なのでは?
そう思う方がいるかも知れません。
しかし、私は個人的に
賃貸物件に和室は要らない
と考えています。
なぜそこまで断言出来るのか?
今回はそんな、賃貸物件における
和室のニーズについて
深掘りしてみたいと思います。
完全に洋式化された?
昨今は、日本の文化や様式が
世界中で評価されており、
畳や床の間といった、
和室の良さを好む日本人も、
数多くいると思います。
しかし、その一方で
住居における和室のニーズは、
限りなく低いこともまた事実。
「和室にいると落ち着く」
「布団を敷いて寝たい」
「こたつで団らんしたい」
といったコメントとは裏腹に、
生活必需品としての和室を、
顧客は求めていません。
昭和時代の、畳に正座して
家族でちゃぶ台を囲むような、
生活様式ならともかく、
現代の日本人は、
テーブルに椅子、
ソファが当たり前
という、完全に洋式化された
生活に慣れてしまいました。
さらに、畳のデメリットである
・畳の上にモノを置きにくい
・飲み物をこぼすと染み込む
・変色や傷みが目立ちやすい
という点が敬遠されたり、
私たちオーナーの側にとっても、
・導入コストがかさむ
・メンテナンスが必要
・顧客に敬遠されがち
など、和室のメリットより
デメリットの方が数多く、
入居者とオーナー
いずれのニーズも満たさない
というのが、
和室の実情でもあるのです。
ゆとりと効率のギャップ
広い敷地に戸建てを新築し、
部屋を数多く設けられるような、
ゆとりのある富裕層であれば、
柱一本にもこだわり抜いた、
伝統的かつ贅沢な和室を設ける
ことが可能だと思いますし、
私もそんな和の空間が好きです。
しかし、その一方で
現代のマンションやアパートは、
スペース効率を最優先に設計
されることが多く、ある意味、
無駄と思える部分は徹底的に
排除されているのが現状。
そんな、効率最優先の物件に、
ゆとりありきの和室
は、なかなか馴染まないですし、
顧客もそれを求めてはいません。
特に、賃貸物件では
その傾向が強くなりがちで、
ただでさえ占有面積が狭く、
間取りが少ない部屋に、
和室を設ける余地は、
限りなく少ないんですね。
さらに、賃貸物件の和室といえば、
普通の洋室に畳を敷いただけ
という中途半端なものが多く、
安くない家賃を払う側の
入居者にとってみれば、
下手な和室より
洋室が使いやすい
ということになりがちです。
和室のニーズはない
結局、それらのニーズをこれまで
数多く実感して来た私としては、
和室を導入する理由を、
これまで度々検討したものの、
結論として「ニーズはない」
というところに、
現在は落ち着いているわけで、
いかにアンケート調査で、
和室のニーズがあると言われても、
鵜呑みには出来ません。
どうしても、
和室で落ち着きたいのであれば、
年に数回、旅行先の旅館で
温泉やグルメなども含めて、
ゆっくりくつろげばいいわけで、
自宅の和室がどうしても必要
という、茶道家のような
一部の特殊なニーズを除けば、
ほぼ全ての入居者は
和室がなくても全く困らない
のではないかと思います。
投資に寄り道は無用
私たちオーナーは別に、
趣味で不動産投資を
やっているわけではありません。
なるべく低コストで、
より良い部屋を顧客に提供し、
安定した賃料収入を得る
ことが求められるわけで、
顧客が求めるインテリアや
設備を最優先に検討する
そこに寄り道は無用です。
和室の良さを認識しつつも、
実現して良いかどうかは別の話。
世の中のふわっとした
意識調査に惑わされることなく、
顧客のニーズにフォーカスして下さい。
がんばりましょう!
村上