村上です。
他人に質問をすることは、
意外に難しいものです。
例えば、
「この物件は買ってもいいですか?」
そんな質問を、
ツイッターのDMなどから、
送って来る方がいるのですが、
その程度の情報だけでは、
ケースバイケースとしか
言いようがないことが殆ど。
投資家個人の属性や資産背景、
あるいは投資の目的次第で、
Aという物件が儲かるのか?
あるいはB物件の方がいいのか?
質問に対する答えは、
大きく変わってしまうんですね。
もちろん、
これが有料のセミナーだったり、
コンサルのお客様からの質問であれば、
こちらも誠心誠意、話を伺いながら
最善の回答を模索するのですが…
大抵、無料のDMに届くような質問は、
・そもそも深く考えていない
・ネット検索で調べてもいない
ググれば分かるレベルだったり、
それとは真逆に、
きちんとヒアリングしないと、
簡単には答えを出せないレベルの、
難しい質問だったりするんです。
さらに、無料の解を求めるような人たちは、
回答に対する敬意もおざなりだったりします。
プロが真面目に調べて回答しているのに、
「分かりました。」
「ですよね。」
そんな、そっけない返信ってどうよ?
などと思ってしまいます。
少なくとも、
相手から得られた回答について、
それなりの敬意を示すことは、
社会人として当然だと思いますよ。
まぁ、そんな愚痴はさておき…
良い回答を得たいのであれば、
良い質問をすることに努める
このぐらいのスタンスで、
質問に臨んでもらいたいです。
質問を受ける相手だって、
なるべく役に立つ回答をしようと、
一生懸命に頭を巡らせるのです。
安易な質問には、
安易な答えしか望めません。
分からないことがあれば、
まずは自分でネット検索し、
それでもわからない部分に対して、
相手に敬意を持って質問する。
そのぐらいの気持ちで、
臨んでもらいたいですね。
物件の高値掴みは克服出来る?
さて、本題です。
不動産投資の成否を左右する要素は、
本当に様々なものがあります。
・物件価格が高いため、利回りが低い
・高い返済比率で、キャシュフローが出ない
・建物の劣化が酷く、コストがかさむ
など、購入前の調査や
シミュレーションによって、
その良し悪しが判別出来るリスクから、
・空室が長期間埋まらない
・コロナで人が動かない
・近隣の工場が閉鎖した
など、購入後の環境変化によって
収支が悪化するというリスクまで、
不動産投資はある意味、
購入から売却に至るまで、
普遍の安定は存在しない
と言ってもいいです。
今回は、そんなリスクの中から
・物件価格が高いため利回りが低い
物件を相場より高値で購入してしまった、
いわゆる「高値掴み」の対策について、
解説してみたいと思います。
買ってからでは遅い?
実は以前、
こんなご相談を頂いたことがあります。
*****
2〜3年ほど前に郊外で、
築古木造アパートを購入しました。
当時はまだ知識が浅かったため、
業者が勧める物件に手を出したのですが、
今思えば少し高値掴みだったと思います。
今後の売却も視野に入れた上で、
高値掴みをした時の対処法について、
アドバイスをお願い出来ないでしょうか。
*****
高値掴みに関するご相談は、
私自身も過去に、
数多くいただいているのですが、
どれも似たような内容です。
物件価格は一度買ったが最後、
後からどうしようもありません。
例えば、リフォームによって、
物件のバリューアップを図り、
家賃アップを狙ったりすることは、
購入後でも十分に可能ですが、
物件価格については、購入後に
手を加えるわけにも行きませんよね?
そういう意味で高値掴みは、
投資の成否に大きな影響を及ぼす、
深刻な失敗の1つでもあるのです。
プラ転に持ち込め!
しかし、そんな高値掴みも、
購入後のやり方次第では、
上手く切り抜けることが出来ます。
それは何か?というと、
いたってシンプルな戦術ですが…
・物件を長期で保有し続ける
というもの。
私のこれまでの経験上、
おそらく9割以上の物件は
月々のローンをきちんと返済し、
地道に残債を減らすことで、
財務上でプラスに転じるタイミング、
いわゆる「プラ転」が、
将来的に必ず訪れるんですね。
修繕費用が莫大にかかる物件や、
全く賃貸需要がない物件など、
保有自体が困難なケースはさておき、
キャッシュフローが極薄だったり…
毎月の持ち出しがあったとしても…
きちんと返済さえ続けていれば、
財務上のプラ転に持ち込むことは、
決して困難ではないと思います。
シミュレーションをしよう
そこで重要となるのが、
将来的なプラ転のタイミングを、
きちんとシミュレーションしておく
ということ。
「いつかプラ転になるだろう」
そんな大まかな予測では、
売り時を逃してしまうことはもちろん、
売却したらマイナスだったなんてオチも、
十分に考えられるからです。
・月々の家賃収入
・ローンの返済額
・金利と元金の内訳
・諸経費や税金の支払い
これらの数字を元に、この先
10〜20年間のシミュレーションを行い、
何年後以降に幾らで売却すれば、
トータルでプラスになるのか?
損益分岐点を調べて下さい。
もちろん、実際の運営が、
シミュレーション通りになるとは
限りませんし、むしろ
その通りにならないことが多いです。
そこで、出来れば毎月ペースで、
過去のシミュレーションを見直し、
常に最新バージョンに、
ブラッシュアップしてください。
その際に、現時点の
・土地値は幾らか?
・建物の評価額は?
・幾らで売れるのか?
といった、財務上の
資産価値評価を見直しておけば、
損益分岐点が前倒しになるか?
あるいは後送りになるのか?
その辺のブレ具合も、
きちんと見えて来ると思います。
困難は克服するもの
不動産投資に百発百中はありません。
不動産投資を続けていれば、
誰だって失敗の1つや2つは、
必ず経験するもの。
そこで撤退してしまうのか、
困難を克服して這い上がるかは、
投資家次第でもあるのです。
確かに、高値掴みは大きな失敗ですが、
克服出来ないわけじゃありません。
必死になって財務を立て直し、
将来のプラ転に向け、方策を尽くして下さい。
「あの時、くじけずにいたから今がある」
そう思える日が、
いつか必ず訪れるはずです。
がんばりましょう!
村上