村上です。
スマートフォンの普及によって、
だれもがインターネットを扱う
時代となりました。
しかし、情報の宝庫とも言える
インターネットの検索を
きちんと出来ている人間は、
それほど多くないことも事実です。
分かりやすく言えば、
「調べる能力」は人によって、
大きく変わるということ。
Googleなどのポータルサイトで、
より良い検索結果を導くための、
入力キーワードを考える
というのは、
ある程度のセンスが必要ですし、
膨大な検索結果から、
・知りたい情報がどこにあるのか?
・その情報のソースはどこからか?
さらには、
・ステマなどの盛った情報なのか?
・デタラメやデマではないか?
・偽サイトなど詐欺の可能性は?
といった、
セキュリティに関わる部分まで、
情報の信ぴょう性を確かめるために、
これほど個人の能力が試される
機会はないと思うのです。
例えば、TwitterなどのSNSで、
どう考えても嘘みたいな話を、
さも事実かのように力説する人が
たまにいらっしゃいますが、
ソースを遡ってみたら実は、
・海外のブログに書いてあった
・SNSで誰かがコメントしていた
内容を鵜呑みにしていたりとか、
そんな話がゴロゴロしています。
インターネットは玉石混交であり、
公的機関のプレスリリースから
オカルトまがいの噂話レベルまで
さまざまな情報が転がっています。
そこからユーザーが、
どんな情報を拾うのか?
拾うに値しないものは何か?
きちんと選別する能力がなければ、
ネットはまともに使いこなせません。
とはいえ…
誰かが書いたおかしな情報を
おかしな人間が真実と思い込み、
次のおかしな人に向けて発信する
そんなスパイラルが
続くのもある意味、
インターネットが
自由な言論の場である
ことの証しではあるんですけどね。
実体験に勝る感覚は無し?
さて、本題です。
当社の会員さんから、
こんなコメントがありました。
*****
日々、物件を見ていますが、
不動産を始めてまだ3年程度で、
村上社長がおっしゃるような、
「昔この辺りは利回り*%だった」
といった感覚が分かりません。
良かった時や悪かった時といった
これまでの相場の波が分からず、
現状を見るしかないのですが、
これで良いのでしょうか?
*****
確かにそうだと思います。
私自身も、この業界に入って
20年が経とうとしていますが、
それ以前のことになると、
結局は聞いた話でしかありません。
自ら実体験した話と、
他人から聞いた話とでは、
言葉の重みも当然変わりますよね?
今回はそんな、実体験を伴う
情報の大切さについて、
少し語ってみたいと思います。
バブルの頃は凄かったの?
私がこの業界に入ったのは、
2000年代の初頭でした。
平成のバブルが弾けて、
やっと10年経ったぐらいです。
その頃の不動産業界と言えば、
30代以上の上司や先輩方は、
不動産バブルの栄枯盛衰
を身をもって体験した世代であり、
新卒間もない私に対して、
当時の話を色々と語ってくれました。
しかし、私はといえば
バブル期の当時はまだ小中学生。
お金に興味はありましたが、
不動産のことは殆ど記憶にありません。
ですから、多くの先輩たちから、
「バブルの頃は凄かったんだ」
なんて話を聞いても、
私自身は「へぇ」ぐらいにしか、
共感出来なかったことを、
未だに憶えているんです。
座学と実学の差
その時代に生きて、
その現場にいて、
実際に肌で感じた
体験というものは、
それを知らない人間にとって、
なかなか理解出来ないものです。
例えば、不動産関連の
過去のデータを知りたければ、
ネットで公表されている、
国交省や経産省の統計資料
などを調べることで、
ある程度は把握が出来ますよね?
しかし、情報はそこまで。
SNSがどれだけ発達しても、
ググれば分かる情報であっても、
実体験の情報量には敵いません。
これが、座学と実学の差です。
不動産投資本を読み漁ったり、
多くのセミナーに参加して、
知識を十分に蓄積しても、
結局、現場での実体験に
優るものはないのです。
エリアの軸も大切
また、実体験というものは、
時間軸だけではありません。
・そこで生まれ育った
・そこに住んでいた
・そこで働いていた
といった、
エリアの軸も大切です。
例えば私自身は、
横須賀や横浜で生まれ育ち、
高校在学中に
東京へ引っ越した人間なので、
・神奈川県の東部
・東京都心や城南城西
には土地勘があります。
「大田区の〇〇何丁目」
と聞けば、
すぐにイメージが湧きますし、
そのエリアの物件も、
高いか安いかが分かります。
しかし、それ以外の
・平塚や相模原より西
・東京の城東城北
・埼玉や千葉、茨城
といった周辺域になると、
そこまで詳細には分かりません。
馴染みのエリアも弊害あり
つまり、誰にでも
エリアの得意不得意があるわけで、
不動産投資のキャリアが浅いなら、
・自分の生まれ育ったエリア
・これまで馴染みの深いエリア
に投資の的を絞るという戦略も
有効ではないかと思うのです。
とはいえ、
この戦略には弊害もあります。
馴染みのエリアに的を絞ると、
物件が買えなくなってしまう現象が、
起こりやすくなるからです。
例えば、自分が学生だった頃、
この辺の土地は坪200万円だったのに、
高騰した現在では坪400万円か…。
なんて過去が頭をよぎると、
物件購入の障壁になってしまいます。
将来は坪600万円かも知れないのに、
昔の坪200万円に足を引っ張られて、
現在の坪400万円に手を出せない。
これじゃ、
良い投資は出来ないですよね?
得意エリアを広げよう!
そこで私のお勧めは、
得意エリアに軸足を置きつつ、
幅広く新規エリアを開拓しながら、
その領域を徐々に広げてゆく
というアプローチ。
物件を数多く調査した上で、
Googleマップなどにピンを打ち、
詳細な情報を書き込むという、
いわゆるマッピング作業です。
これを何年か続けていくうちに、
・あの時はこんな条件だった
・○年前の売り物件はもっと安かった
・再開発でこの辺は上がった
など、時間軸の情報も
どんどん充実して行くわけで、
より精度の高い投資判断が、
出来るようになります。
過去の実体験も大切ですが、
これからの実体験はもっと大切。
キャリアの浅い今こそが、
重要な節目になると思いますよ。
がんばりましょう!
村上