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テラスハウスってどうよ?

村上です。

全国的な少子高齢化に伴い、
特に地方都市において

大学の定員割れが相次ぐ

というニュースを、
目にする機会が増えて来ました。

急激な少子化はもちろんのこと、
地方の若者が大学進学を機に、

大都市圏に移り住む

ことによって、地方の大学が
定員割れに追い込まれているのです。

ちなみに、2040年に18歳を迎える
子供たちの数は77万人程度であり、
現在に比べて18万人も減っているという、
調査結果が出ていますから、

地方大学の経営はより深刻度を増す

ことは、避けられない状況です。

もちろん、これは大学だけの問題でなく、
日本国内のさまざまな部分において、
深刻な影響を及ぼす問題であり、
地方の不動産市場においても、
決して他人事では無いんですね。

例えば、地方の産業が衰退して、
労働者の雇用が減ってしまうだけでなく、
高学歴の人間が就く職種自体が無くなれば、
地方で働く若者も減りますから、

地元で就職する必要がない

ということになるはず。

人手不足の現代において、
地方より収入の高い都心部の仕事は、
幾らでもありますから、

あえて地方に暮らす理由

も乏しいでしょう。

そうなると、卒業後に就職し、
マイホームを新築するニーズが、
どんどん減ってしまうだけでなく、

地方は低収入の中高年者ばかり

という、不動産業界にとっては
ありがたくない構図ばかりが、
目立つことになると思います。

現在の日本、特に地方では
大きな転換期を迎えています。

大都市圏に人口が集中し、
地方はどんどん衰退する

そんな構図が、今後数十年のうちに
どんどん加速して行きますから、
私たち不動産投資家も、

未来をしっかりと見据える

そんな視点を持つことが、
今まで以上に求められることは、
避けられないと思います。

テラスハウスってどうよ?

さて、本題です。

ご相談をいただきました。

******

先日、とある仲介から
大阪にあるテラスハウス物件を
紹介されました。

融資が厳しいこともあり、
初心者には紹介しにくい物件を、
私に回してくれたようですが、
テラスハウスの運営ノウハウが無く、
購入には至っていません。

テラスハウスの上手い投資法と、
出口戦略の考え方について、
教えていただけると幸いです。

******

とのこと。

ご存知の方も多いと思いますが、
テラスハウスというのは、
連棟式の区分みたいなもので、
昭和末期から平成のバブル期に、
その多くが新築されています。

一見、おしゃれにも思える
テラスハウスではありますが、
不動産投資として捉えた場合、
やや難しいものがあるんですね。

今回はそんな、
テラスハウスの是非について
分かりやすく解説したいと思います。

テラスハウスとは?

テラスハウスとは、
2階建ての戸建を
横方向にいくつも繋げたような
メゾネット型の集合住宅であり、

昔ながらの長屋みたいなもの

と言えば、
イメージしやすいかも知れません。

玄関や階段、廊下などは
住戸ごとに独立しているものの、
隣家とは壁1枚で繋がっているため、
完全に独立した住戸ではなく、
あくまで集合住宅という位置付け。

そんなテラスハウスですが、
中古住宅として売買するにあたり、
一番のデメリットとなるのが、

銀行の融資が付かない

ことです。

テラスハウスを新築した
バブル期の頃であれば、
銀行の融資もイケイケでしたから、
問題はありませんでした。

しかし、時代が移りゆくにつれ、
銀行の融資姿勢も当時から
大きく変わってしまったんですね。

出口が取れない物件

テラスハウスはその構造上、
独立した住戸ではなく、
集合住宅という位置付けになります。

所有者全員の合意を取り付けなければ、
改築や大規模修繕も出来ませんし、
ましてや、

取り壊して更地で売却する

といった出口戦略も、
自由に選ぶことは出来ません。

また、木造のテラスハウスは
RC構造のマンションと違い、
隣との壁も薄い簡素なもので、
隣人の声が筒抜けのような
物件も多々ありますから、
建物の資産価値も低いです。

そんな、資産評価的に
制約の多いテラスハウスは、

住宅ローンが使えない

という、
致命的な欠点を抱えているため、
出口が取れないだけでなく、
価格も格安で取引されています。

みなさんはそんなバブルの遺産を、
あえて買いたいと思うでしょうか?

私だったら買わないですね。

収益性のみにフォーカス!

おそらく、冒頭のご相談者さんは、
そんな融資の付かない物件でも、
価格さえ折り合いが付けば、
現金で決済出来るのでは?と、
業者から見込まれたのだと思います。

でも、融資が付かない物件は、
次の売却でも融資が付かないわけで、
出口が取れないことに変わりはありません。

そういう意味で、融資の付かない
テラスハウスを購入するのであれば、

家賃収入だけで投資額が回収出来る

レベルの価格で買うことが重要。

物件の資産性を完全に捨て、
収益性のみにフォーカスするのです。

数年程度で投資額が回収出来れば、
あとは純粋に家賃収入で儲かりますし、
仮に物件をタダで手放したとしても、
損を出すことはないでしょう。

要は、再建築不可物件や
地方のボロ戸建のような戦略が、
テラスハウスにも有効なのです。

デメリットを帳消し出来るか?

そんなわけで、今回の

テラスハウスの上手い投資法と、
出口戦略の考え方について

重要なポイントは、
価格の安さに尽きると思います。

ただし、テラスハウスはその性質上、
何を行うにしても、
所有者全員の合意を取り付けたり、
修繕費用を集める必要があるなど、
維持管理上の煩わしさが常に、
付きまとう事は避けられません。

多大なデメリットを
十分に帳消し出来るくらいの
価格で購入出来るかどうか?

その辺は、より慎重に
シミュレーションして下さい。

がんばりましょう!

村上

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