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相場の節目を読むことは可能か

村上です。

以前、会員さんから

チバリーヒルズの物件は、
どう思うでしょうか?

という、
ご相談を受けたことがあります。

チバリーヒルズというのは、
千葉市の郊外にある

ワンハンドレッドヒルズ

という分譲地の通称であり、
バブル真っ只中の1989年に、
大手のT不動産が開発したもの。

しかし、分譲された当時から

「千葉の郊外に高級住宅地なんて…」

というマイナスイメージから、
チバリーヒルズという
ありがたくない通称をもらっていました。

そこから、バブルがはじけて30余年、
チバリーヒルズは既に廃れた印象ですし、
リセールバリューもありません。

また、ポッと出の高級住宅街ですから、
お金持ちもあまり住んでいません。

ただ、私自身はというと、
別にリセールバリューを気にせず、
自分や家族がのんびり住むには、
悪くないのでは?とも思います。

特に、あの時代の建物は、
現在のようなキツキツな間取りではなく、
ゆとりがあって広々としていますから、
都心マンションの窮屈さから抜け出し、
豊かな老後を過ごすには良いかも知れません。

また、街並みも綺麗ですし、
住人たちものんびり暮らしていますし、
チバリーヒルズというイメージが悪いだけで、
利便性とリセールバリューさえ納得出来れば、
悪い選択ではないとは思います。

ただ、残念ながらチバリーヒルズは
どれも豪邸クラスの大型物件ですから、
築30年でも1億円を下らないケースが殆ど。

そのお金を出して、
チバリーヒルズに住むぐらいなら、
他の郊外エリアも検討出来るのです。

チバリーヒルズが好きだから…
あの住宅街に住んでみたいから…

という理由であれば、
1億円の中古を買う選択も有りでしょう。

しかし、それほど好きでなければ、
リセールバリューも考えた上で、
湘南あたりの物件を買うほうが、
個人的にはオススメですけどね…。

相場の節目を読むことは可能か

さて、本題です。

不動産市場における相場の波は、
いつの時代においても常に、
上げ下げを繰り返す存在です。

波の大きい小さい、
期間の長さに違いはあるものの、
上がり調子が未来永劫続くことはなく、
逆に、下がり続けることもない…

そんな相場の波において、
多くの投資家が着目するのは、
波の調子が変わるタイミング、
いわゆる

・相場の節目

だと思います。

実際、当社の会員さんからも、

相場の節目というものは、
どういう状況になった時に、
感じるものでしょうか?

こんなご質問をいただいています。

そこで今回は、不動産市場における
相場の波の節目について、
解説してみたいと思います。

この20年は激動だった

私が新卒でこの業界に入ったのは、
ITバブルが弾けた頃の2002年でした。

その後、さまざまな相場の波を経ながら、
現在に至っています。

例えば、この20年間でも…

・小泉政権(2001〜2006)
・ファンドバブル(2006〜2008)
・リーマンショック(2008)
・民主党政権(2009〜2012)
・第二次安倍政権(2012〜2020)
・かぼちゃの馬車事件(2018)
・コロナバブル(2020〜2021)

と、これだけの波があったわけで、
不動産業界にとってはまさに、
激動の20年と言ってもいいでしょう。

もちろんその影には、
多くの業者や投資家たちが、
浮かんでは消え、消えては浮かびを繰り返す、
さまざまな「波の節目」がありました。

特に、2008年のリーマンショックは、
我々不動産業者にも、
甚大なインパクトを与えています。

波の節目を予測出来る?

一方、その間の私自身はというと、
分譲マンションの開発デベに就職後、
リーマンショックを経験したのち、
住宅ローン破産者の債務整理業務を
担当していました。

その後、これまでのキャリアを活かして、
2014年に当社コン・パスを設立し、
みなさまに支えられて現在に至ります。

では、そんな相場の波を、
何度も越えてきた業界の人間が、

波の節目を予測することは可能か?

というと、
残念ながらそうではありません。

せいぜい、事後になってから
「あぁ、あの時は〇〇だったんだ」
ぐらいの感覚ですね。

おそらく、この業界の誰1人として、
その節目を前もって知ることは
難しいのではないかと思います。

特に、業界経験がまだ浅い
ビギナーの投資家さんであれば、

たまたまタイミング良く、
物件の購入や売却が出来た

ぐらいのレベルで、
まず無理ではないかと思います。

相場の波は〇〇が決める

そんな、先の読めない相場ですが、
1つだけ確実なことがあります。
それは何か?というと、

相場の波は融資姿勢が決める

ということ。

・融資が開けば相場の波は上がり
・融資が閉まれば相場の波は下がる

基本的にはこうなります。

例えば、2008年のリーマンショックでは、
銀行の融資が一気にストップしたため、
物件を買える投資家が極端に減りました。

結果的に、不動産市場における相場の波を、
大きく下げる節目となったのです。

ただし、近年では例外も起きています。

例えば、2018年のかぼちゃの馬車事件では、
金融庁からの指導によって、
不動産向け融資が閉まったにも関わらず、
東京都心の相場は下がりませんでした。

融資が閉まっているにも関わらず、
相場の波が下げに転じないというのは、
今までのセオリーから外れるのですが、
これはひとえに、

確実に融資を引ける大手企業や地主、
または海外の富裕層やファンドが、
国内の物件を積極的に買い進め、
相場を下支えしていた

影響ではないかと考えています。

相場の波に惑わされるな!

そんなわけで、良くも悪くも
相場の節目を読むということは、
難しいものだということが、
理解してもらえたと思います。

もし仮に、節目が読めるなら、

・上がる節目で物件を仕込み
・下がる節目で高値売却する

そんな投資が、誰にでも出来るはず。
でも、現実はそうじゃないですよね?

ですから、個人投資家のみなさんは、
相場の波に惑わされることなく、

・買っていい物件
・買ってはいけない物件

を、見極めるようにしてください。

どんな時代においても、
どんな相場であっても、
買える物件は必ずある!と心に刻み、
日々の行動につなげたいものです。

がんばりましょう!

村上

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