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大学生寮からの出口戦略

村上です。

日本を訪れる外国人観光客、
いわゆるインバウンドが、
新型コロナウイルスの収束後、
急速に回復しています。

都内を歩いていても、
そこら中に外国人がいますし、
観光地の京都などでは、
地元の人たちが

・バスに乗れない
・タクシーが掴まらない
・人気店は行列だらけ

といった、

オーバーツーリズム(観光公害)

に直面しているという話も聞きます。

もちろん、それらの観光客が
地元にお金を落としてくれる以上、
ある程度の混雑は止むを得ませんし、
ビジネスチャンスでもあるのですが、

以前の外国人観光客に比べて、
現在はその質が落ちているのでは?

と思うことも、少なくありません。

例えば、以前の
外国人観光客はどちらかというと、
経済的に余裕のある層が多く、
マナーもそれなりに良かったのですが、
現在はバックパッカーが中心であり、
私たち日本人がランチに使うような

単価が千円程度の安い店

に人気が集中したりと、
だんだんと身近な存在になっています。

もちろん、
それと共にマナーも悪くなるわけで、

・ゴミを散らかす
・大声で談笑する
・酔って迷惑を掛ける

といったトラブルも、
起きているようです。

とはいえ、
悪いことばかりでもありません。

例えば、スマホアプリで
最初からSuicaやPASMOも
普通に使っていますし、
店での支払いもキャッシュレス。

翻訳もスマホで完結しますし、
予めネットで店の情報を調べて、
スマートな対応を心掛ける
外国人観光客も増えました。

地図アプリが普及したお陰で、
外国人から道を尋ねられることも、
ほぼほぼ無くなりましたね。

まぁ、そういう意味で
外国人観光客の台頭は、
スマホという便利な
デバイスを介しながら
しばらく続きそうです。

大学生寮からの出口戦略

さて、本題です。

以下のような
ご相談をいただきました。

******

所有する地方のアパートを、
大学生向けの寮として
一棟丸々貸していますが、
契約している大学から、

2025年の春をもって
契約を終了したい

と申し出があり、
まだ時間はあるものの
出口戦略に困っています。

駅から近いわけでもなく、
単身者用なので、
すぐに満室になるとは思えません。

今のところ売却の方向で
行こうかと考えていますが、
全空での売却を進めた方が
売りやすいでしょうか?

アドバイスがありましたら、
いただけると嬉しいです。

******

とのこと。

今回は、このご相談について
解説してみたいと思います。

ケースバイケース

まず始めに、今回のような

一棟借り上げの物件が
大学や企業の撤退などで
契約終了となる

ケースに関して、どのような
出口戦略を考えるのかは、
ケースバイケースのはず。

土地値がある程度付くなど、
資産価値がしっかりしていて、
全空(全室空室)でも使いたい
人がいるという前提があれば、
全空で売却することも
十分に可能だと思います。

ただ、利回り換算のほうが
売りやすいのであれば、
満室にしてから売却する
ほうが儲かるわけで、

出口戦略を誤った結果、
どっちつかずのまま売却する

という中途半端が、
一番良くないことは確かです。

全空も良いチャンス?

ちなみに全空は、
考えようによっては
良いチャンスでもあります。

例えば、今回の契約終了を機に
建物を解体した上で
更地として売却する場合、
全空のほうがやりやすいです。

そもそも、
入居者を立ち退かせて
全空にすることは
相当な労力と時間が掛かるもの。

どれだけ説得を重ねても…
立ち退き費用を上乗せしても…

立ち退いてくれない入居者は
どこにでもいるわけで、
築年数が古い物件の場合では、
思い切って更地にすることも
選択肢の1つだと思います。

また、全空の物件は

大規模修繕がやりやすい

こともメリットです。

入居者に迷惑を掛けることなく、
好きな時に工事が出来ますから、
ご相談者さんのような売却ではなく、
今後も保有し続けたい場合は、
前向きに検討してみてください。

戦略作りは慎重に

一方、満室にして高値売却を
狙った方が良いケースもあります。

例えば、

・築年数が浅め
・建物の状態が良好
・客付けがしやすい

ような物件であれば、
頑張って満室にしてから
利回り目線で高値を付けたほうが、
より多くの手残りが得られます。

この辺は、
仲介の業者と相談した上で、
慎重に決めた方が良いでしょう。

そもそも、一度でも
新たな入居者を入れた時点で
立ち退きは困難になりますから、
後になって

「全空のまま〇〇しておけば…」

などと後悔することのないよう、
十分に気を付けてください。

少子化によるリストラ

昨今の少子化によって、
郊外や地方の大学は

・キャンパスの統廃合
・学部や短大の廃止
・大学そのものの閉校

といったリストラが、
より一層進むと予想されています。

今回のご相談者さんと同様、
これまで学生のニーズによって
賃貸運営を維持していた

・学生寮
・下宿
・1Rアパート

などの依存物件は、
今後の運営がさらに厳しくなる
ことは間違いないと思います。

そういう意味で今回、
全空になったタイミングで
売却を検討することは、
良い判断ではないでしょうか。

仲介業者選びも大切

ただ、これまで
依存物件であった以上、
学生以外の賃貸需要がなければ、

・満室は相当に難しい
・更地にしても売りにくい

という可能性も高いです。

もちろん、ご相談の内容だけでは
物件の詳細が分かりませんから、
断定することも出来ません。

先ほども申したとおり、
仲介の業者とじっくり相談の上、
方向性を見極めてください。

ある意味、今回のようなケースは、
業者の腕の見せ所でもあるわけで、

力量のある仲介業者を選ぶ

ことも、重要だと思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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