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不動産価格高騰の謎とは?

村上です。

先日のニュースで、
プロパンガス料金に
ガス利用と関係のない

設備費の上乗せ行為

を、2025年から禁止する方針を
経済産業省が示したという
報道がありました。

実はこの規制、
当初は2027年度から
予定されていたのですが、

2年前倒しして開始する

こととなったのです。

個人的には、規制を
2年も前倒しするなんて話、
初めて聞きました(笑)

そもそも、これまで
プロパンガスの業界では、
物件の新築やリフォームの際、

・ガスの配管や給湯器

の無償貸与だけでなく、
ガスとは全く関係のない

・エアコン
・インターホン
・ウォッシュレット

などをオーナーに提供し、
その見返りとして

ガス料金に上乗せする

という慣習が、
古くから行われていました。

オーナーとしては、
賃貸運営の初期コストが
カット出来ますし、
契約したガス業者も
長期の契約を結んで
ガス料金から回収すれば、
そのコストをペイ出来ます。

当然、そのツケを
負わされるのは入居者なわけで、
このことが以前から
問題視されていたのです。

その後、2023年7月に
経産省が重い腰を上げた結果、

有識者会議で方針を示し、
2027年度の施行を目指す

ことが発表されていたのですが、
結局、その規制が2年も
前倒しになったのです。

おそらく、経産省の官僚が
プロパンガス業者の横暴に
ブチ切れたのではないかと(笑)

「まだ4年あるから今のうちに!」

といった駆け込み営業で、
客を囲い込んでいる現状に
業を煮やしたのかも知れません。

まぁ、それでも2025年まで
あと2年はありますから、
今後はさらに
業者間の顧客囲い込みが
激化すると思われます。

もちろん、
我々オーナーにとっても、
今回の規制はコスト高に
つながるわけで、

これまで無償だったコストを
家賃に転嫁出来るかどうか?

が、関心事となるはずです。

不動産価格高騰の謎とは?

さて、本題です。

みなさんもご存知のように、
ここ数年の間に

首都圏の不動産価格

は、大幅に高騰しました。

それに伴い、不動産投資家から、
高過ぎて買えないという
悲鳴にも似たコメントを、
あちこちから聞いています。

一方、そんな高騰の陰で
現場の営業サイドでは、

物件が全然売れない

状況が深刻化しています。

需要過多が高騰につながる

という市場経済の原理とは、
異なる動きを見せているのですが、

物件が売れていないのに、
なぜ価格だけが独り歩きするのか?

今回は、その謎に
迫ってみたいと思います。

価格設定とは?

まず始めに、
一般的な商取引における価格設定、
いわゆる商品の値付けについて、
おさらいしておきましょう。

一般的な商取引における
商品の価格設定では、

・商品の品質
・製造コスト
・需要と供給
・市場の動向

などを勘案し、その商品の
卸値や小売価格を決定します。

一方の消費者は、
商品の品質やブランド、
競合する製品、または
必要性などを総合的に評価し、
自らの経済力を踏まえた上で、
商品の購入可否を決めます。

つまり、どれだけ商品が
高品質かつ魅力的であっても、
必要性に乏しかったり、
手の届かない価格だった場合は、

商品を買わないor買えない

ということになります。

1億円でこんな物件?

これを、現在の不動産価格に
置き換えてみると…

品質がそれほど良くないのに
価格は割高で手が出ない

ということになります。

例えば、1億円ぐらい出せば
いい戸建が買えると多くの人が
考えているにも関わらず、
実際に物件を見てみると、

こんな安普請で部屋も狭くて、
庭も無い家に1億円も出すの?

あるいは、以前だと
3千万円くらいで買えた
中古の区分マンションが、

え!?こんなに高くなったの?
だったら今の賃貸でもいいか…

という感じで、なかなか
物件が売れていないんですね。

需給バランスが通用しない

通常、不動産の価格は
需要と供給のバランスに
左右されています。

融資や景気が上向き、
買える客が増えれば、
不動産の相場は上がる。

融資や景気が冷え込んで
買えない客が増えれば、
不動産の相場は下がる。

という相場の波が、
不動産の価格を決めていました。

しかし、その市場原理が
ここ10年ぐらいの間に、
少しずつ変わって来ているのです。

それは何か?というと、
物件が売れず、在庫が
積み上がっているにも関わらず、

・価格が下がらない
・むしろ値上がりする

という現象です。

インフレが日本を変える

その要因は、世界的な
インフレだと言われています。

海外の不動産が軒並み
大幅なインフレで高騰する中、

日本国内の不動産だけが
価格据え置きのままだった

そこへ、

・コロナ資金の大量流通
・建築資材や人件費の高騰
・2022年以降の超円安傾向

というさまざまな要素が加わり、
販売不振にもかかわらず、

高値を付けて売れるのを待つ

デベロッパーや
オーナーが増えているのです。

さらに、新築物件では
高騰した資材価格の影響で

値下げしようにも出来ない

販売業者も多く、
このような状況は、
私がこの業界に入って以降、
遭遇したことがありません。

それぐらい、現在の市場は
市場経済の原則から
大きく乖離しているのです。

スタグフレーション

このように、
需要と供給のバランスが
崩れているにもかかわらず、

物件価格が高止まりしている

というかつて無い状況が、
国内の不動産業界を
飲み込んでいるだけでなく、
日本人の所得が一向に増えない

スタグフレーション

も、国内を席巻しています。

地方を含めると、
国内全体の価格相場は
むしろ下がっているのですが、
東京を含めた大都市圏が、
軒並み高値を維持し続けている
ことが、これからの日本に
どのような影響を及ぼすのか?

私たち業者側の人間も、
今後の動向を引き続き
注視する必要がありそうです。

村上

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