村上です。
収益物件の価格の動き、
気になりますよね。
スルガショック以降、
耐用年数を大きく超える
融資期間が厳しくなり、
また自己資金割合も相応に
求められるようになりました。
本来であれば融資が厳しければ
価格も下がるというのがセオリーでしたが、
コロナ禍による、
さらなる超ド級の金融緩和により
お金はジャブジャブ、
そして外的、
内的含め、
多くの要因による
円安&インフレ。
下がると思われていた不動産価格は、
全くその逆に行ってしまいました。
しかしその一方、
一般的なサラリーマン投資家が買うような
1億円以下のアパートなどは、
実需等に比べると上げ幅は少なく、
ここ数年に至っては
あまり変わっていない印象です。
しかしここにきて
賃料の上昇が目立つようになり、
今後は銀行次第ではありますが、
再度動き出す可能性もあります。
ここまでは主に、
レジデンスのお話です。
飲食店等については
さらに二極化が進んでいます。
そもそもテナントは、
募集の仕方も特殊ですし、
一度空いたら半年や一年空室
ということもザラ。
実需のようなブレない
シミュレーションは難しく、
それなりのボラを
想定しなければなりません。
退去も倒産や夜逃げの理由が多く、
原状回復費用をもらえない
なんてことも珍しくありません。
入居中だって、
業務用エアコンが壊れれば
100万円くらいは簡単に
吹き飛びます。
そういった意味で、
ラクではない商売なんですね。
それでもやる人がいるのは、
ハイリスク・ハイリターンで
高利回りも狙えたからなんですが、
今回のコロナでは
ハイリスクの部分が
もろに出てしまいました。
私は飲食店の
大変さを知っているので、
勉強会の会員さんに相談された時は、
普通のレジデンスを勧めています。
でも、中には
いつか駅前の飲食店の
オーナーになって
自分の店に客として通いたい…。
そんな夢を持っている人も
いるかもしれません。
そんな人に言いたいのは、
今回のような
有事のタイミングで起きていることを
しっかりと見ておきましょう、
ということです。
歴史は繰り返すからです。
自分がやりたい投資手法を
選ぶのはいいことですが、
いい面だけを見て突っ込めば
ケガをします。
そういった意味で、コロナ禍は
世の中の平常時とは異なる面を見られる
いい機会だったとも言えますね。
地方の土地は負債でしかない?
さて、本題です。
これまでの日本では、
「土地は資産である」
という考えは、
ごく一般的なものでした。
現在でも、
東京や大阪などの大都市圏
では、その考えが通用しますし、
そういったエリアでは
10年20年のスパンであれば、
資産価値は下がることなく、
むしろ上がる土地も多くあります。
一方、地方はというと、
事情が大きく異なります。
・深刻な人口減少
・土地余りや空き家問題
・インフラの整備
などが、より深刻さを増し、
人々の土地に対する意識も、
変わりつつあるんですね。
今回は
そんな土地の資産価値について、
解説してみたいと思います。
・土地=資産だと思えない?
以前、健○家さんのニュースで、
「土地は有利な資産
と考える人の割合が半減」
というものがありました。
令和2年版の土地白書が閣議決定され、
その中に紹介されている
土地問題に関する
国民の意識調査結果
によると、
「土地は預貯金や株式などに比べて
有利な資産とは思わない」
と、考えている人の割合が
過去最高の45.3%に達した
というのです。
さらに、
「土地は預貯金や株式などに
比べて有利な資産か」
という質問に対し、
「そう思う」
と回答した人の割合が、
・平成5〜6年度は
60%超だったのに対し
・令和元年度は
27.1%に半減している
そうなのです。
二極化がより一層進む
地方では、地価上昇による
値上がりが期待できない
エリアが多くあります。
それにもかかわらず、
土地の維持管理にかかる
コスト負担は少なくない…。
そうなれば、
土地は富を生み出す資産
という意識が徐々に薄れ、
持ち続けるだけでお金が出て行く、
マイナス資産=負債
というイメージが強くなるのも
無理はありません。
さらに、人口が減少するエリアは
年を追うごとに拡大している上、
都市部への一極集中
は年を追うごとに強まっています。
そのため、
大都市の土地値は上がり続け
地方の土地値は下がり続ける
という、
極端な二極化が進んでいるんですね。
今後は、
新型コロナウイルスの影響もあって
その勢いがますます加速するのではと、
個人的には考えています。
・キャッシュフローマシンを買え!
では、そんな地方の土地に対し、
これから手を出すのは
ハイリスクでしかないのでしょうか?
私は、
そうとは言い切れないと思います。
以前からよく言っていますが、
地方の土地を、あくまで、
「キャッシュフローを生み出す商材」
として捉えるなら、
勝機は少なからずありえます。
例えば、
利回り30%超の
地方物件を満室で回せば
3年〜5年ほどで
投資額を回収出来ます。
この地方なら5年間は
人が減ることはない
と分かっているなら、
純粋なキャッシュフローマシンとして
地方の物件を買うことは、
十分に有りといえるでしょう。
地方不動産は悲観的
ただし、
長期的な視野で捉えれば、
地方不動産の資産価値は、
悲観的にならざるを得ません。
深刻な人口減少に
見舞われる地方では、
・鉄道やバスなどの交通
・上下水道や電気、ガス
・郵便局などのサービス
など、一般的なインフラの維持が
ますます困難になってきます。
それに逆らって不動産投資をしても、
私たちのような個人投資家に、
その流れを変えることは不可能。
地方の不動産を保有していても、
手放すことさえ困難な時代
が、すぐそこに来ているのです。
地方でやっている不動産投資家は、
その点にもっと、正面から
向き合うべきといえるでしょう。
地方の土地を売り抜けろ!
日本国内の土地は基本的に、
誰かが権利を保有しています。
それは
どんな山奥だろうが
無人地帯であろうが
同じことです。
その中には、
持っていてもメリットはなく、
所有者がどんな手を使ってでも
次の買い手を見つけたいという
ようなものも存在します。
特に山林などは、
タダでも貰い手がいない
ケースがほとんど。
将来の相続などで
負の遺産を引き継がせない
ためにも、
地方の物件を持っているなら、
・なるべく短期で回収する
・早期に手放して現金化する
ことを考えた方がいいですよ。
これまで「資産」と考えられていた
地方の土地が「負債」に変わり、
手放すことさえ難しくなる時代は、
すでに
現実のものとなりつつあるのです。
現在、家賃収入がある物件でも、
ずっとそのままとは限りません。
物件のある場所によっては、
「買い一辺倒の拡大路線」から、
「積極的な売りを絡める方針」へと、
シフトチェンジする必要があるはず。
潮目の変わるタイミングを
見誤らないようにしてください。
がんばりましょう!
村上