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購入即赤字物件を買う人

村上です。

「不動産投資で儲けるための裏技を教えてください」
目をキラキラさせた初心者の方に、
そんなことを訊かれることがあります。

私が生暖かい笑顔で、
「そんなもの、ありませんよ」。
と答えると、皆さん、がっかりしますが、
仕方ありません。
だって、本当に裏技なんてないんですから。

サラリーマン投資家の方に聞きたいのですが、
皆さんの本業で、
「楽して儲かる裏技」ってありますか?

営業マンの方、
「モノが売れる裏技」ってあります?
経理部の方、
「数字がバシッと合う裏技」ってあります?
人事部の方、
「優秀な人材を採用できる裏技」ってあります?

ないですよね。
それなのになぜ、不動産投資となると、
簡単に儲かる裏技があるって、
皆さん、思ってしまうのでしょうか?

自称不動産コンサルタントたちの
メルマガやSNSに書いてある
「何もしないでチャリンチャリン」
「資産ゼロから家賃年収〇億円」
的な言葉にクラッとやられそうになった方、
大丈夫ですか?
疲れていませんか?(笑)

本当は、知っているはずです。
そんなうまい話、世の中にはないってことを。

不動産投資はビジネス。
ビジネスである以上、日々勉強をして、
コツコツとやるべきことをやり、
周囲の信頼を築き上げた先に、
ようやく成功が見えてきます。

逆に言うと、
裏技なんて探さなくたって、
やるべきことをやれば、
しっかり成果が出るのが不動産投資です。

「裏技」探しは時間の無駄。
地に足を付けたやり方で、がっちりと稼ぎましょう。

購入即、赤字物件を買ってしまう人

さて、本題です。
銀行融資の冷え込みによって、
今年に入り、収益物件の相場が下がってきました。

昨年までの不動産投資ブームで、
物件を高値づかみで買ってしまった人は、
物件を売るに売れない状態に陥っています。

・売れないなら、キャッシュフローを改善し
・中長期保有することで残債を減らしつつ
・売り時が到来するのをじっと待つ

これが、個人投資家にできる唯一の手段ですが、
そもそもが高値づかみの物件です。
わずかな利回りでキャッシュフローを維持しようと、
今も苦しんでいる方は多くいると思います。

しかし、もっと悲惨なケースがあるんです。
キャッシュフローが出るどころか、
購入後、即赤字になる物件を買ってしまった!
というケースが、少なからず存在するのです。

なぜ、そんなことになったのでしょう??
私が相談を受けた事例をご紹介します。

購入即、赤字物件とは?

新築1Rの販売業者ならともかく、
一棟物で最初から赤字になるのが明白な物件なんて、
分かっていれば誰も買いませんよね?

ところが、買う人がいるのです。
特に一昨年から昨年にかけては、
その手の話を複数の投資家から聞きました。

一番驚いたのは、Cさんというやや高齢の方が
購入した、「購入3ヶ月後から赤字」という物件でした。
概要はこんな感じです。

・地方の郊外、畑の中にあるRC一棟マンション
・1LDK×30戸
・物件価格は約3億円
・空室は3割程度
・スルガ銀行の高金利融資で購入
・購入数ヶ月は、業者による「空室保証」付き
・業者のシミュレーションは、ぎりぎりプラス収支

Cさんは、自称コンサルタントが運営する
セミナーに参加して、熱心に勉強していたそうです。
しかし、その自称コンサルから、

「勉強しすぎると買えなくなるから、
まずは一棟買いなさい!」
「自分が成功したように、何十億もの資産を築けば
あなたもリタイアできます! 」

そう言われて、
結局、ろくに仕組みを理解しないまま、
紹介された物件を買ってしまったのです。
そしてすぐに、赤字に転落・・・。
一体、何が起きたのでしょうか?

業者の収支見込みを当てにするな!

Cさんが失敗した理由は、
業者が出してきた収支シミュレーションを、
検証もせず、鵜呑みにしてしまったことでした。

実はそのシミュレーション、
地方物件なのに「満室」想定で、
ようやく回る物件でした。

購入時は空室がありましたが、
数ヶ月は業者がマイナス補填してくれる
「空室保証」が付いていたので、
Cさんはその間に満室にすればいいという
甘い見込みを立てていました。

しかし、数ヶ月経って保証が外れてからも
空室は埋まらず、
すぐに純粋な赤字に転落したのです。

地方物件で満室を想定するのは
非現実的であり、八掛けなどの「掛け目」を入れて、
計算するのが普通です。

さらに、単身向けの投資物件では、
4年に1回くらいの回転率を見込むべきです。
30戸入りの物件ならば、
年間7.5戸ぐらいは入れ替わると考えてください。

7.5戸 × ( 修繕費 + 広告宣伝費 + 空室期間 )

そういった空室ロスを、最初から計算に入れず、
さらに、空室も埋まらない状況ですから、
赤字に陥るのは当然です。

もし、業者のシミュレーションを鵜呑みにせず、
Cさんが自分できちんと計算をしていれば、
絶対に手を出すことのなかった物件のはずです。

結局、業者も悪いが、オーナーにも落ち度があった、
そう言わざるを得ないのです。

当事者意識を持て!

ちなみに、この3億の物件、
銀行で、どのくらいの担保が付くのか
調べてもらったところ、
2億くらいの評価しか出なかったそうです。

つまり、買った瞬間に1億の借金を背負ったのと同じ、
ということです。

1億円の債務超過では、売るに売れないですし、
持ち続けている間も、赤字の垂れ流しです。
必死になって収支を立て直さなければ、
破産まで一直線、という危機的な状況でした。

夢と希望を持って不動産投資を志したのに、
自称コンサルにそそのかされて、
業者に赤字物件をつかまされ、人生をフイにする。
ひどい話ですよね?

こういった、購入即赤字物件を買ってしまう方に
共通して言えるのは、
「当事者意識がない」ということ。

私はそのような人の力になろうと、
「この資料を出してくれ」
「こうした方がいい」とアドバイスしたこともあります。

でも、彼らは真剣に行動しないのです。
自分が置かれている深刻な状況が、
しっかりと把握できていないんです。

・なんとかなるだろう…
・誰かが助けてくれるだろう…

そんなワケ、ないですよね?

この方は結局、アドバイスを実行しないまま、
連絡が取れなくなりました。
今、どうなっているのかはわかりませんが、
あれから心を入れ替えて、「自分事」として
再建に取り組んでいることを願います。

不動産投資は、決して
楽に稼げるものではありません。
みなさんも、より一層気を引き締めて、
これからの不動産業界を必死に生き抜いてください。
くれぐれも、即赤字物件を買ってはいけませんよ。

がんばりましょう!

村上

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