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築古のRC造は買っちゃダメ?

村上です。

新型コロナのパンデミック以降、
以前は毎日のように聞いていた、

「ベンチャー」
「スタートアップ」

という言葉が、随分と
話題に上がらなくなって来ました。

もちろんそれは、
私の周りだけなのかも知れませんが、
私自身もベンチャーキャピタルの
役職を担っている手前、
それなりの実感があることは確かです。

例えば数年前までは、
ベンチャーの若き経営者達が、

六本木や麻布の高級な店で、
毎晩のように飲み明かしながら、
将来の夢を語り合う

といった光景がありました。

しかし、改めて考えてみると、
当時のイケイケだった経営者は、
残念ながら、

跡形もなく消え去ってしまった

という印象です。

世界では、特にアメリカなどで、
名だたる企業が急成長を遂げたのに対し、
日本のベンチャーやスタートアップは、

資金の獲得に奔走するだけで、
肝心の事業が軌道に乗せられない

夢を語ることは立派だけど、
実際の中身が全く伴っていない

というケースがほとんど。

敢えて言うなら、

生産性が限りなく低く、
資金を無駄に浪費しただけ

と言ってもいいぐらいの、
酷い有り様だったと思います。

まぁ、そんな日本の
ベンチャーやスタートアップですが、
国内企業の生産性が低下している
現状を考えると、

若き経営者に台頭してもらいたい

という思いは、
私だけではないと思います。

古い商習慣を打破出来る、
気概のある若き経営者が、
日本の経済を牽引してゆく…

しかし、残念ながら
現実はそうじゃありません。

資金を得ることの重みと責任を、
もっと肌身で実感してもらいたい。

そんな思いを、
ベンチャーキャピタルの人間として、
願わずにはいられないですね。

築古のRC造は買っちゃダメ?

さて、本題です。

都内で格安の物件探しをすると、

・築40年以上
・築50年以上

という、いわゆる

築古RCマンション(築古RC)

を見つけることが多々あります。

一般的に築古RCの欠点は、

・建物の老朽化
・インフラが古い
・耐震基準が低い

と言われ、私が手掛けた仲介でも、
実需で住むお客さんなどから、

「古くても大丈夫でしょうか?」

といった相談を受けることが、
少なくありません。

しかし、個人的に築古RCは

考え方次第で買っても構わない

とも思っているんですね。

そこで今回は、
築古RCの是非について
私なりに解説したいと思います。

RC造の特性とは

まず始めに、RC造の特性について
改めておさらいしておきましょう。

RC(鉄筋コンクリート)造

は、柱や梁の部分に型枠を組み、
その中に鉄筋を配置した上で、
コンクリートを打ち込む工法です。

・鉄筋が持つしなやかさ
・コンクリートが持つ頑丈さ

という、双方のメリットを活かしつつ、

・鉄筋の腐食性や耐熱性の弱さ
・コンクリートの割れやすさ

という、デメリットも同時に打ち消し、

しなやかさと頑丈さを兼ね備える

理想的な構造でもあります。

RC造の法定耐用年数は47年ですが、
実際には築47年超の建物も多数ありますし、
定期的なメンテナンスを怠らなければ、

「RC造は100年以上持つ」

と、一般的に言われてるんですね。

劣化したRCはどうなる?

しかし、RC造の構造自体が頑丈であっても、
世の中のRCマンションには、

・屋上の防水処理が劣化している
・上下水道が古い鋼管のまま
・外壁のタイルが剥離している

そんな物件がゴロゴロしています。

特に、屋上の防水処理が劣化すると、
屋上部分から雨水が内部に入り込み、

・下の階で雨漏りを起こす
・電気器具に不具合が出る

だけでなく、RCの構造内で

・鉄筋が錆びて腐食する
・コンクリートが爆裂する

という、深刻な劣化を引き起こすのです。

そうなると、
大規模修繕で莫大なコストが掛かるか、
あるいは…

建て替えした方が安上がり

というケースもあり得るんですね。

築古はハイリスク?

では、そんなリスクを持つ築古RCは、
手を出さない方がいいのか?というと、
必ずしもそうではありません。

一棟物であれば歴代のオーナーが、
分譲マンションであれば管理組合が、

定期的な大規模修繕を、
確実に履行していれば

建物の健全性を保つことが可能です。

さらに、古い鋼管の配管や、
電気などのインフラについても、
RC構造内のものはそのままに、

・外付けで塩ビ管を配管し直す
・電気ケーブルを別途敷設する

ことで、トラブルの発生を
抑えることが可能になります。

つまり、これまでの管理記録簿から、

・屋上防水をメンテナンスしている
・インフラの更新工事をやっている

など、適切なメンテが出来ていれば、
物件の価格次第で、

そんなに築古を気にしなくても良い

ということになるんですね。

バブル期のRC造は贅沢

さらに、現在に比べて
バブル期の築古マンションのほうが、

建物の造りがしっかりしている

なんてことも、結構あります。

現代のRCマンションにありがちな、
低コストかつ効率性を優先した、
徹底的なコストダウン主義に比べると、
昔のRCマンションは、

コストと時間をかけて頑丈に建てた

ものが多いんですね。

もちろん、中には例外もありますし、
先ほども述べたように、

その後の管理状態によって、
物件の良し悪しはピンキリ

でもありますから、一概に

「バブル期のRCだから大丈夫」

なんてことも言えないです。

築古でも「買い」はある

結局、都内の築古RCについては、

物件によって評価が大きく変わる

ということ。

「築古だからダメだ」
「新しいから大丈夫」

そういった先入観を持たず、
大規模修繕の履歴を確認した上で、
実際に建物を調査してください。

・屋上防水の劣化
・インフラの更新
・構造部分のヒビなど

細部に至るまで確認し、
自分なりの評価を行ってみれば、
その物件が、

買って良い物件かどうか?

という判断が、
より的確に下せるはずです。

がんばりましょう!

村上

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