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顧客のニーズを把握せよ!

村上です。

以前、新聞各社の報道で、

金融庁が2023年から、
金融機関の中小企業向け融資で、
経営者が個人で背負う

・経営者保証

を、実質的に制限するという
ニュースがありました。

これは、
メガバンクや地銀、信用金庫といった

預金取扱金融機関

が、保証の必要性などを
具体的に説明しない限り、

経営者保証を要求出来なくなる

というもの。

この制限によって、
融資を受けて起業するハードルが、
これまでに比べて、
格段に下がることが期待されています。

そもそも、
銀行の起業向け融資は、
他の先進国に比べて、

経営者保証を必須にする

などハードルが高く、
起業そのものを阻害する点が、
大きな問題でした。

企業の良し悪しを、
自分達で判断することが出来ず、
銀行は何事に付けても、

「とにかく保証して下さい」
「担保を入れて下さい」

ということを、
ずっと唱え続けて来たのです。

保証がなければ融資が出ず、
起業する人が減ってしまえば、
日本の未来にも影を落とします。

そこで今回、金融庁が
抜本的にメスを入れる形で、

起業しやすい環境を整備する

ことにしたんですね。

私自身もこれまで、

企業が経営破綻すると、
経営者もその道連れになる

という点に、
疑問を持っていましたから、
今回の制度改正は、
大いに評価しています。

ただ、心配な点もあります。

例えば、今回の制度改正で
経営者を担保に融資を出す
ことに制限が掛かるため、
金融機関の立場としては、

融資先をより厳密に審査する

目利きがより一層問われますから、
それが裏目に出た結果、

中小企業の融資が厳しくなる

ことになれば、
本末転倒にもなりかねません。

その辺の融資姿勢については、

金融庁が積極的に関与しつつ、
企業向け融資の後押しを行う

というスタンスを、
貫いて欲しいものですね。

顧客のニーズを把握せよ!

さて、本題です。

*****

区分の購入を検討しています。
多少築年数が古い物件でも、
リノベして賃貸に出そうと、
考えているのですが、
大家仲間からは、
「リノベも最近は高騰している」
と言う声を良く聞きます。

費用高騰や設備の供給不足など、
現在の状況は厳しいですが、
少しでもコストを削減する
方法があれば教えてください。

*****

このようなご相談をいただきました。

確かに、コロナ以前に比べると、
リフォームやリノベのコストが、
大幅に上がったことは否めません。

もちろんそれは、
大家個人のDIYであろうと、
リフォーム業者であろうと、
大きくは変わらないと思います。

しかし、それよりもずっと
重要なポイントがあるんです。
それは、

コストをどこへ
どの程度掛けるのか?

ということ。

今回は、そんなテーマで
解説してみたいと思います。

コストには上限がある

まず始めに、
私たち投資家は基本的に、

物件を貸して家賃をもらう

ことで、利ざやを稼いでいます。

利ざやを最大化させるためには、

・掛けるコストを下げ
・家賃収入を上げる

ことが求められますが、
残念ながら後者に関しては、

エリアの家賃相場

が存在するため、無闇に
アップさせることは出来ません。

つまり、

期待利回りを実現したいが、
家賃収入の相場は決まっている

となれば、掛けられるコストは、
上限が決まってしまうのです。

そのため、

限られた予算の範囲内で、
効果的なリフォームや
リノベを実施するには、
どうすれば良いだろうか?

結局は、冒頭の相談者さんのような、
悩みに行き着くというわけです。

顧客のニーズをつかめ!

そこで重要になって来るのが、

顧客のニーズを的確に把握する

ことです。

例えば、男性客が
寝に帰る目的で借りるような

都心一等地のワンルーム

に対して、
凝ったリノベは不要ですよね?

おしゃれなインテリアや、
充実したキッチンは不要ですから、

・必要最小限の設備
・そこそこ綺麗な内装

を実現しておけば、
あとは立地や家賃次第で、
空室を埋めることは、
それほど難しくないはず。

・その部屋にどんな顧客が入居し
・どんな部屋を求めているのか?

という点を、
正確に把握すればするほど、
必要なリフォームやリノベが、
シャープに見えて来るのです。

何を優先し、何を諦めるか

逆に、そういった視点を持たず、
闇雲に自分が追求するリノベを、
実現してしまったらどうなるか?

自己資金が潤沢でなければ、
わずかなキャッシュフローから、
そのコストを捻出するために、
資金繰りが苦しくなります。

さらに、先ほど述べたような、
家賃の大幅アップによって、
コストを回収することも、
現実的とは言えません。

例えば、
家賃8万円が相場の空室に、
大規模なリノベを施した上で、
10万円以上で埋められるかは、
相当なギャンブルです。

そこで重要なのが、
先ほど申し上げたとおり、

顧客のニーズを的確につかむ

ということ。

限られた資金や賃料収入から、

何を優先し、
何を諦めるか?

その問いに、
正面から向かい合うためには、
顧客ニーズを把握することが、
何より重要なのです。

郊外や地方の限界は低い

しかし、都心はともかく、
郊外や地方では違った意味で、
顧客にニーズに応えられない
とある事情があります。

それは、賃料の安さです。

例えば、ライバル物件との
差別化を図ろうと、
家賃が2万円~3万円の郊外物件で、

1部屋につき、
100万円のリノベを実施した

としましょう。

仮に家賃2万円の物件で、
掛けたコストを全回収するには、

100万円÷2万円=50ヶ月

実に4年以上掛かります。

もちろん、

・月々のローン返済
・管理会社への支払い
・突発的な修繕費用
・入退去に伴う原状回復

なども、家賃収入から
捻出しなければなりません。

つまり、
賃料相場の低いエリアでは、

掛けられるコストの
限界点が非常に低い

ということにも、
十分な注意が必要なのです。

バランスを模索しよう!

では、今回の話をまとめましょう。

効果的なリフォームやリノベを
実施するためには、

顧客のニーズを把握する

ことが何より重要であって、
そのニーズ次第で、

何を優先して
何を諦めるか

が決まります。

ただし、賃料相場の低い

郊外や地方の物件

においては、
掛けたコストの回収が、
困難となるため、
十分な注意が必要だということ。

それらのポイントを踏まえた上で、

効果的なリフォームや
リノベのバランスを模索する

ことを心掛けて下さい。

がんばりましょう!

村上

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