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ワケありの土地をどう捉える?

村上です。

現在、東京駅の八重洲口エリアや、
京橋エリアで再開発が進んでいます。

昭和の高度成長期に発達したビル街が、
大手財閥系の業者が主導する形で、
新たにリニューアルされるという、
いち不動産屋の人間にとって、
興味深いトピックだと言えるでしょう。

特に注目されているのが、
三菱地所が主導している、
常盤橋の再開発プロジェクト

TOKYO TORCH
https://tokyotorch.mec.co.jp

の計画です。

個人的には、トーチなんて
あまりパッとしたネーミング
じゃないと思っていますが(笑)

3.1haという広大な敷地に、
高さ390mの63階タワーと
7,000㎡の広場を有する、
東京の新たなシンボル

として、2027年の
完成が予定されています。

このTOKYO TORCHも含めて、
東京駅の八重洲口近辺は今後、
昭和時代のビジネス街から脱却し、
大きく変貌することになりそうです。

そもそも、これまでの東京駅周辺は、

丸の内口と八重洲口をつなぐ
徒歩でのアクセスが不便

という問題を抱えていました。

私たちのようなビジネスマンが、
東京駅を横断しようにも、

カートを引きずる地方の旅行者や、
外国人観光客の団体に阻まれて、
思うように移動出来ない

という事態が、
頻繁に起きていたのです。

こちらは仕事で急いでいるのに、
観光客の方はそんなことお構いなし。

もちろん、それをどうこう
言う筋合いはないのですが、
東京駅界隈はそもそも、

シビアなビジネスと
観光が混在している

ある意味、カオスな環境です。

例えば、
ビジネス専用の通路があるとか、
ビジネスと観光をゾーン分けするとか、
今回の再開発によって、
何がしかの対策が施されるなら、
ずっと利用しやすくなるはずです。

とはいえ、
あのエリアの核となる東京駅が、

・山手線
・京浜東北線
・東海道線
・中央線
・横須賀線
・総武快速線
・京葉線
・武蔵野線
・東海道新幹線
・東北新幹線
・山形秋田新幹線
・上越長野新幹線

さらには東京メトロや、
都営地下鉄の各駅にいたるまで、

あまりにも複雑過ぎる

点については、
今回の再開発においても、
大きく変わることはないでしょう。

この問題については、

東京駅は日本の玄関口

という観点から、国主導で
改善してもらいたいところです。

ワケありの土地をどう捉える?

さて、本題です。

以下のような
ご質問をいただきました。

*****

そこそこ利便性の良いエリアで、
ある一角だけ、
土地の安いところがありました。

良く調べてみると、
昔は沼地だったそうです。

それが理由で敬遠されているのか、
他に理由があるのか分かりませんが、
ある一角だけ安いという土地は、
出口戦略的にも難しいでしょうか?

*****

とのこと。

確かに、
多くの土地情報を見ていると、

え?どうしてここだけ安いの?

というエリアが、
局地的に存在していることに、
気付く方も多いのではと思います。

その多くが、何らかのワケありで
敬遠されて来た土地なのですが、
時代や人の代替わりが進むにつれ、
そのような忌避は、過去のものに
なろうとしていることもまた事実。

今回はそんな
「ワケあり」の土地について、
少し解説してみたいと思います。

ワケありもさまざま

まず始めに、ひとくくりに
ワケありの土地と言っても、
さまざまなものがあります。

例えば、昔から

・水害が多く地盤も軟弱
・崖下などで土砂災害が多い

といった自然環境によって、
忌避されてきた土地や、かつては

・墓地
・古戦場や首塚
・処刑場
・屠殺場
・被差別部落

だったという、
歴史的な事情を抱えた土地も、
全国各地に存在しています。

また、過去に

・火災で多数の人が亡くなった
・凄惨な殺人事件があった

という事故や事件、さらには

・反社系の拠点が近隣にある
・工場の騒音や臭気がひどい
・ホームレスが多く治安が悪い

といった嫌悪施設や、
住環境に問題がある土地も、
告知義務の対象かどうかを問わず、
そこだけ価格が安いというケースが、
往々にしてあるんですね。

時代と共に人も変わる

しかし、反社系や騒音など、
現状に問題がある場合は別として、

歴史的な事情で忌避されていた

土地の多くは、そのイメージが
だいぶ薄れて来たように思います。

なぜなら、

それらの事情を避けてきた、
世代の多くが既に亡くなっている

からです。

時代が変わって人も代替わりし、
あらゆる情報がスマホで手に入る現代に、

非科学的な噂や畏れを気にしない

人たちが増えたことは事実ですし、
かく言う私自身もそう。

「過去に何かあったとしても、
今、問題がなければいいじゃん。」

現代に生きる多くの人たちが、
そのぐらいの感覚だと思うんですね。

ワケありは狙い目?

確かに、ワケありの土地を
気にする人は一定数いるでしょうし、
それをどうこう言うつもりもありません。

ただし、

利便性の良いエリアかつ、
気にしない人が増えれば…

土地の需要もそれなりに増えますから、
これまでの相場におけるギャップは、
自然と埋まって行くはずです。

また、自然災害の発生確率なども、
現代では防災ハザードマップなどで、
誰でも把握出来る時代になりました。

河川工事や崖崩れ防止などの防災対策も、
昔に比べれば格段に進歩しています。

そう言う意味で、過去の
マイナスイメージを引きずるより、
自分の目でその土地の良し悪しを
きちんと確かめた方が、
より良い物件購入につながりますし、
出口戦略も立てやすくなるはずです。

もちろん、やり方次第では、

価格が安い今のうちに土地を仕込み、
数十年後に高値売却で利益を出す

という戦略も十分に有りでしょう。

正しい由緒は安くない

一方、それとは真逆に

由緒正しい土地柄

という概念も昔から存在します。

東京で言えば、
かつて武家屋敷があった
山の手の高級住宅地などがそう。

閑静で住環境が良く、
地盤がしっかりしていて、
自然災害にも強い

そんな土地が、
東京都心に限らず、
全国各地の歴史的な都市に、
少数ながら存在するものです。

こちらに関しては、
ワケありの土地とは逆に、

相場のギャップが埋まるどころか、
さらなる上昇や高値が維持される

ことになると思われます。

良い物件を安く買う!

とはいえ、高級住宅街の土地は、
ごく一部の富裕層しか手が出ませんし、
利回りも全く期待出来ません。

であれば、先ほども述べたように、

安いうちに仕入れて高値売却を狙う

ワケありの土地を探すほうが、
投資として面白いのではないでしょうか。

もちろん、歴史的な経緯はさておき、
現状に問題がある物件は買っちゃダメです。

物件を見る目を鍛え、
良い物件を安く手に入れる

これは、ワケありだろうが、
超が付く高級住宅地だろうが、
変わらない定理だと思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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