BLOG

ブログ

買付後の価格吊り上げは許される?

村上です。

日本人は海外から、

真面目な気質だ

という評価を受けることが、
多いと思います。

例えば、外国人が日本に来ると、

「電車が時刻通りに来る」

「サービスが行き届いている」
「街にゴミが散らかっていない」

そんな驚きのコメントと共に、

日本人の真面目さや勤勉さを評価する

そんなネタが、YouTubeなどで
盛んに取り上げられていると思います。

しかし、そんな日本人の真面目さは、

他人の目が怖いから

という、後ろ向きな
マインドがその源泉ではないか?
私はそうも思っています。

誤解を恐れずに言えば、日本人は

世界で一番不真面目

ぐらいに考えてもいいでしょう。

例えば、
ここ数年で急速に増えている、

管理職になりたくない

という、若い人たちの存在がそう。

「ストレスが増えるから」
「責任が重くなるから」
「管理職に向いていない」
「ワークライフバランスが大事」

そんな理由で、上を目指す若者が
どんどん減っているんですね。

ちょっと頑張れば、
他人より頭一つ抜きん出るぐらいは、
簡単に出来るはずなのに、
それをやろうとは思わない。

自分の仕事に忠実であっても、
それはあくまで、
会社の指示に従った結果であって、
そこから先の思考がないんですね。

さらに、日本人の労働時間は
先進国で最低と言われていますし、
年間休日数も世界トップクラス。

そんな「働かない日本人」が、
果たして真面目だと言えるのか?

私には疑問でしかないのです。

まぁ、そんな悲観的な反面、

ガツガツ働かなくても、
そこそこの暮らしが出来る

日本という国は、
悪い面ばかりではないという思いも、
一方であることは事実です。

・ご飯が安くて美味しい
・交通やインフラが充実
・街が清潔で治安も良い

そんな国、海外にはないですよね?

まぁ、見方を変えれば、
そんな安住の地であることが、
日本人のハングリー精神を奪っている、
最大の理由なのかも知れません。

買付後の価格吊り上げは許される?

さて、本題です。

以前、会員の投資家さんから、
こんなお話を聞きました。

投資家のAさん(仮名)が、
とある物件に満額で買付を入れたところ、
仲介業者から連絡があり、売主側が

「価格を値上げして掲載し直したい」

という意向を示しているとのこと。

物件を売り出してからすぐに、
買い付けが数件入ったことから、

「売り出し価格が安過ぎたのでは?」

と、売主自らが主張したそうです。

Aさん自身、買付を入れた後に
価格が吊り上がるというケースは、
これまで経験したことがなく、

「こういう話は良くあるのでしょうか?」

と、半ば困惑していたんですね。

ただ、このような売出し後の値上げは、
頻繁にあるわけではないものの、

そんなに珍しくはない

というのが、正直なところです。

今回はそんな、
買付後の価格吊り上げについて、
その是非を考えてみたいと思います。

後出しジャンケン

まず始めに、
買付後に価格が吊り上がったら、
誰だって気分は良くないはずです。

私たち不動産投資家は、
決して安易な気持ちで、
買付を入れているわけじゃありません。

・その物件を綿密に調べ上げ
・収支のシミュレーションを行い
・儲かると確信した物件に買付を入れる

わけで、売主が一方的な都合で、
価格を吊り上げてしまったら、

「えー!後出しジャンケンかよ」

などと憤るのは、
もっともなことだと思います。

しかし、この吊り上げ行為は、
法的にアウトなのか?というと、
実はそうじゃありません。

なぜなら、
売買契約前の段階において、
買付申込を受け入れるかどうかは、
売主の意向次第だからです。

・その額でOKなら売買契約へ
・その額がNGなら交渉不調に

売出し価格はあくまで目安に過ぎず、
満額で買付が入ったとしても、
売主がそれに従う義務はないんですね。

キャンセル出来る権利

そもそも不動産投資に限らず、
全ての商取引において、

売主は「より高く売りたい」
買主は「より安く買いたい」

という、利益相反の関係にあります。

さらに、お互いに相反する希望を
交渉しながら徐々に擦り合わせ、
双方が納得出来る価格で合意する

これが、売買契約に当たります。

合意形成がなされる前の段階で、
売主と買主のどちらかが、
一方的に売買をまとめようとしても、
無理なものは無理です。

例えば、私たち買主側が、
いったん買付を入れた物件に対し、
契約前になって、

・もっと良い物件が出て来た
・気付かなかった欠点が判明した
・資金的な問題が発生した

といった理由で、
一方的にキャンセルを入れることは、
不法行為じゃないですよね?

買主側がキャンセル出来るなら、
同じように売主側も、買付を
キャンセルする権利があるのです。

売主側に落ち度がある

しかし、どれほど
法的に問題がないと言っても、

価格を買付後に吊り上げる

ような行為は、
不動産取引上のマナーとして、
誉められたものではありません。

冒頭のケースで言えば、
売主が個人か業者かに限らず、

明らかな値付けミスが、
買付後になって判明した

わけで、

売主側に大きな落ち度がある

ことは否めません。

例えば、売主が個人だった場合、
相場を良くわかっていない仲介が、
1億円で売れるはずの物件に、

「8000万円が相場だと思います」

などと、
いい加減な査定を出していたら、
その仲介業者は売主に対し、
2000万円の損害を与えているようなもの。

そんなシロウト業者が契約をまとめ、
売主から仲介手数料をもらうなんて、
ひどい話ですよね?

潔く撤退も有り?

というわけで、買付後に
価格が吊り上がったとしても、
我々買主側がどうこう言うことは、
基本的に出来ないものと考えて下さい。

8000万円が1億円になったとしても
まだ利益が出るなら買えばいいし、
出ないなら潔く撤退した方がいいです。

物件はそれこそ、
無限に存在しているものですし、
無理に高値で買ったとしても、

後でもっと良い物件が出て来た

なんて事態になれば、
後悔しか残らないですよ。

そもそも、後になって
価格を吊り上げるような売主は、

1億円でOKということで話を進めたところで、
その後の展開がグダグダになる

可能性も大いにあり得ます。

その辺を留意しつつ、
冷静かつ慎重に判断して下さい。

がんばりましょう!

村上

PICK UP

ARCHIVE

TOP