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工期の遅れにどう対応する?

村上です。

ここ数年の間に、
銀行のシステム障害が
度々発生していることは、
みなさんも報道などで、
良くご存知かと思います。

以前は、みずほ銀行が
システム障害の常連でしたが、
最近では、

・三菱UFJ銀行
・りそな銀行
・ゆうちょ銀行

さらには、
金融機関を取り仕切る

・全銀協の全銀ネット

までもが、
大規模なシステム障害に
見舞われるという事態。

特に、大型連休の前後など
利用が多発するタイミングで、
そのような障害が起こった場合、

利用者に多大な迷惑が掛かる

わけで、金融庁が全銀ネットへ
報告徴求命令を出すなど、
大きな社会問題になりました。

たまたま当社では、
システム障害の日に
決済が被るようなダメージは
なかったものの、運悪く

資金繰りに行き詰まった!
約束手形が不渡になった!

という会社もあるでしょうから、
いち経営者として、この状況は
本当に何とかしてもらいたいです。

ちなみに、冒頭の全銀ネットは
1973年のシステム運用開始以来、

一度も障害が発生していなかった

とのこと。

それだけ、システム的に
安定していた証かも知れませんが、
見方を変えれば

1970年代の古いシステムを
2023年現在も運用し続けている

わけで、驚きを隠せません。

そもそも、
全銀ネットで使われている
プログラミング言語は、

・COBOL
(Common Business Oriented Language)

という、アメリカで1959年に
開発された共通言語だそうで、
現在主流となっている

・Javaなどのオブジェクト指向言語

に比べて、化石並みに
古いと言われています。

しかし、そんな
化石レベルのシステムが
実に60年以上の長きに渡り
日本の金融界を支えて来たわけで…

今回のシステム障害を機に、
全銀協や各金融機関は、
抜本的な見直しを図り、
今回のようなシステム障害を
一刻も早く無くしてもらいたい!

経営責任を担う身として、
声を大にして言いたいですね。

工期の遅れにどう対応する?

さて、本題です。

******

来年1月末の完成予定で
新築案件をやっていますが、
土地が旗竿地で間口が狭く
想定外の手間が掛かったり、
人材不足の影響もあって、

工期が3月末にずれ込む

こととなりました。

契約書には、
「期日までに必ず完成させる」
といった強い文言を
書いていなかったのですが、
この場合、遅延損害金を
請求出来るものでしょうか?

よろしくお願いします。

******

というご相談がありました。

こういう工期の遅れは
本当に良く起こるのですが、

ある意味しょうがない

部分も結構あるんですね。

今回はそんな、
工期の遅延について、
少し語ってみたいと思います。

契約書のひな形

まず始めに、
工事請負契約書について
解説しておきましょう。

通常、工事請負契約書は、
定型のひな形を使用する
ケースが一般的です。

さまざまなケースに
対応するひな形は、
割と柔軟な内容になっており、
今回のような工期の期限など
縛りを設けたい場合は、

契約当事者の双方が合意の上、
新たに規定を盛り込む

ことが、別途必要となります。

逆を言えば、
ひな形を利用している限り、

どちらかが一方的に不利

という契約にはならず、
バランスが取れるわけで、
ある意味無難とも言えるのです。

ある程度は止む無し?

今回のご相談者さんが、
工事請負契約を締結した際に、
ひな形を使用したと仮定すれば、

工事着工後の遅延について
特段の規定がない限り

ある程度の遅延は止む無し
ではないかと思います。

そもそも新築工事は、

・資材の納期遅れ
・作業人員の確保
・天候や自然災害

など、実際に着工してみないと
分からない部分も多く、
ある程度の遅れは止む無し
というのが一般的。

もし仮に、契約書の条項で
期限をガチガチに縛る
ようなことをすれば、
工事を受けてくれない業者も
出てくるはずです。

オーナーの立場は弱い

また、実際に工期が
遅延した場合においても、
そのパワーバランスは
工事業者のほうが強いです。

例えば、遅延を理由に
損害賠償を求めたものの、
交渉が決裂した場合、
どちらが困るでしょうか?

私たちオーナーですよね。

さらに、建築中の物件は
引き渡しが終わるまで
工事業者のものですから、
結局、私たちオーナー側は、

・工期が遅れたら困る
・モノも押さえられている

という、弱い立場にあるのです。

その点を踏まえた上で、
私たちオーナーは

ある程度は我慢するしかない

というのが本音なんですね。

時にはペナルティも必要

もちろん、例外もあります。

例えば、工事業者に誠意がなく、

当初は2ヶ月遅れと
言っていたにも関わらず、
その後、更なる遅延が発生した

このようなケースでは、
損害賠償を求めることも
止む無しだと思います。

出来れば、初回の遅延時に
覚書を取り交わしておき、

次に遅れたらペナルティを払う

ぐらいの約束を、
事前にしておけば安全です。

我々オーナー側も、いつ工事が
終わるか分からない物件に対して、
募集を掛けるわけには行きません。

遅れたものはしょうがないが、
それ以上の遅れはペナルティ

ぐらいの柔軟さを持って、
工事業者と付き合いたいものです。

工期に余裕を持て

もちろん、工期の遅れが理由で、
入居者の募集が遅れることは、
私たちオーナーにとっても
由々しき事態です。

特に、春の繁忙期前に
物件が完成していないと、
入居の旬を逃すことになるわけで、
収支が大きく狂うだけでなく、

ローン返済のリスケについても
銀行と折衝しなくてはならない

など、大きな影響が発生します。

出来れば、1月末完成といった
ぎりぎりの工期を組むのではなく、

スケジュールに余裕を持つ

例えば、2ヶ月ぐらいの遅延を
最初から織り込んでおいて、

10月や11月の完成を目指す

このぐらいの余裕が、
無理のない工事につながる
と思いますよ。

がんばりましょう!

村上

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